トップページ > 株式投資コラム > 相場観 > TOPIXが史上最高値更新

TOPIXが史上最高値更新2025.07.25

 7月20日投票の参院選では、自民党と公明党が大敗しました。自民党は改選前の52議席から39議席に大幅減で、1989年に記録した過去最低の36議席には至らなかったものの、2007年の37議席以来の低水準になりました。公明党も改選前の14議席から8議席に大幅減です。両党合計では改選前の66議席から47議席に減り、この結果衆議院に続いて参議院でも過半数を下回る少数政権となりました。

 前回も書いたように早見は日本の政治に関して、毎月の東京セミナーで重要なことを数年前から色々明確にお伝えしてきました。2024年5月セミナーで「今の政治状況は、国民の政府に対する認識が2009年の政権交代の時と同じ空気になっている」と指摘して、続いて2024年9月セミナーで「自民党総裁選で高市は勝てない。しかし石破では選挙に勝てない」とハッキリと明言しました。

 実際にその後昨年の総選挙で石破自民党は大敗して少数政権に転落。今年の都議選も大敗。今回の参院選も大敗というように「石破では選挙に勝てない」と言った通りです。

 弱体化する政権の下で減税や積極財政を求める圧力が強まり、財政悪化の不安が一段と高まって日本の長期金利の上昇と円安に歯止めが効かなくなることが心配されて市場の反応が注目されましたが、今のところ目立っているのは金利上昇だけです。今週も10年国債の利回りは16年9ヵ月ぶりに1.6%台まで上昇しました。

 一方で日本の株価は崩れておらず、逆に日経平均は急上昇して、1年ぶりに4万2000円台を回復しました。TOPIXも昨年7月の最高値2946をついに1年ぶりに抜いて、日経平均よりも先にTOPIXが昨年7月の最高値を更新しました。今週は日米関税交渉が合意して、関税率は15%にとどまることが明らかになったことが好感されて株価は一気に急上昇し、選挙の大敗が上手くカバーされた形です。

 選挙結果を受けて自民党内から責任を問う声が強まっており、石破首相は退陣の方向に向かうとみられます。まずは来週28日に自民党の両院議員懇談会が開かれ、それが議員総会に格上げされて石破総裁に対するリコールの動きが出るかどうかです。元々株式市場では石破首相は不人気でしたから、選挙で大敗しても逆に好感されるという現象になっています。ここからは新政権をにらみ織り込む動きになるでしょう。

 また7月31日に日銀の金融政策決定会合の結果が発表されますが、日米関税協議が合意したことで不透明材料が解消されましたので、日銀がここで利上げを実施する可能性があります。

※当レポートは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋ものになります。

セミナーのお知らせ
セミナーの様子
☓ バナーを閉じる

有料情報「早見雄二郎の特ダネ株式ニュース」 お電話または、インターネットで早見独自の株式投資情報が手に入る有料サービス

電話有料情報(情報料300円)インターネット有料情報(情報料300円)はこちら