今月後半は波乱に注意して見て来ましたが、日米欧などの悪い経済指標が次々に出てきており、加えて米中貿易戦争についてもまったく解決への道筋が見えていません。今週のG20でも米中首脳会談で貿易戦争については、この原稿を書いている28日(金)の時点では内容がまだ分かっていません。
FOMCでは金融政策は現状維持となり、次回7月の利下げへの期待が出ていましたが、パウエル議長は利下げへの圧力を強めているトランプ大統領への牽制球かのように、早期利下げを否定するようなコメントを出しています。
さらに直近ではアメリカとイランの対立が深刻化してきています。アメリカはイランに対する軍事行動を行なうことを決めましたが、攻撃開始のわずか10分前にトランプ大統領が中止を命令したというような緊迫した状況になっていたことが明らかとなりました。
このように様々な情勢は安心感をもたらすのではなく、不安感をもたらし警戒を緩めることが出来ないという有り様です。
国内の政治は衆参ダブル選挙が完全に無くなり、7月21日に参議院選挙の投票日を設定。消費税も予定通り10月に増税するということで決着した形です。
このように見てくると日本の株価を大きく押し上げるような要因はほとんどありません。むしろ何か起こればリスク回避の円高により株価が押し下げられるリスクが常に付きまとっています。7月相場も注意を怠れませんので、緊張感を持って見ていきましょう。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。