先週はドル円が27日には151円97銭まで円安が進み、一昨年10月の151円94銭の高値を抜いたのでブレイクアウトの形になりました。これで当局による介入警戒感が出てきて、東京株式市場にとってはマイナス材料となりました。
続いて今週は今度は米国の金利が上昇し、10年国債の利回りが昨年11月以来の水準になってきました。米株もNYダウとナスダック指数が3月21日に史上最高値をつけて下げており、どちらも25日線のレベルまで下げてきました。これがまた日本株にとってはマイナス材料となりました。
ただ米株の実勢を観測するSP500指数は3月28日に史上最高値をつけて、今週4日の急落で昨年7月の天井打ちの時と同じ形になりました。
そしてこのところ上昇が目立ってきたのが原油相場です。NYの原油相場は今週昨年10月以来の高値になってきました。月足チャートを見ると今月はMACDがゴールデンクロス寸前になってきています。前回は2020年11月に45ドル台でゴールデンクロスして、そこから2022年3月の高値125ドル台まで2.7倍に大きく値上りしていきました。そのスタート地点と同じゴールデンクロスが実現しようとしていますので、この原油相場の上昇傾向はまだ続くとみられます。原油相場がこれからさらに一段と上昇していくとインフレ圧力の高まりにつながります。米国は利下げが後ろ倒しになる可能性が高まります。
既にお伝えしたように、日経平均は4月相場も日本株は強いと思われると書きましたが、今週は下げ波乱で4月相場のスタートを切りました。4月3日の終値時点で日経平均の週足チャートでは今週5週線が下向きに転じました。これは1月に上向いて以降で初めてであり、TOPIXも今週は今年初めて終値で25日線を下回ってきました。今年に入ってからの上昇相場で初めての弱い形になってきています。3月22日に史上最高値の4万1087円をつけた時の週足は大きな陽線でしたが、先週と今週でその大きな陽線を帳消しにしてきています。予想していたよりも弱い形で4月相場がスタートしました。4月はまだ始ったばかりですが、日本株も危険な形に変わったと、5日の朝の有料情報でコメントしました。
まずは今週の下げ波乱でもチャートが崩れずに、逆行高になっているような強い株に目を向けるのがいつものやり方です。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。