早見は2月17日の東京セミナーで、香港株式市場のハンセン指数に安値レベルで週足チャートで陽線包み足が出現したことや、月足チャートの逆張り指標であるRSIが明らかに底打ちした形を示していると指摘して、「香港の株価は1月22日のザラ場最安値1万4794で大底を打った可能性が極めて高い。」と明言しました。
続いて上海総合指数も2月に最安値をつけて強烈な切り返しとなり、2月の月足チャートは最安値で大きな陽線包み足になったので、前々号の週刊レポートの「臨時コラム」で「中国の株価は予想通り底打ち」と書きました。上海総合指数は2月5日のザラ場安値2635から今週は3090まで上昇しています。
このように中国の株価も弱気一色の総悲観の中で見事に底打ちしたわけで、予想通りとなりました。
さて、3月から5月にかけて日経平均は中天井のような形になるという見方をお伝えして、波乱期入りしたわけですが、日経平均は3月7日のザラ場高値4万472円から12日のザラ場安値3万8271円まで約2200円下げました。これで中天井を打ったかどうか注意して見ていましたが、日銀の金融政策決定会合の結果を受けて一気に4万円台を回復して新高値になったので、中天井にはなっていません。3月2日に東京で開催されたIRセミナーで「目先は4万1000円をつけてもおかしくない」と話した通りのところまで上昇してきました。
日銀の金融政策決定会合の結果は事前にこれでもかというほど漏れていた通り、17年ぶりにマイナス金利が解除され、ETFとREITの買い入れも終了しました。これを受けて東京市場は株高&円安にぶれており、ドル円も20日には151円80銭まで円安が進んでいます。一昨年10月の151円94銭、昨年11月の151円91銭でそれぞれ円安は止まり、151円台が強力な壁になっていますが、その151円台にまた突入しています。この151円台を突破して大ブレイクアウトすることで円安&株高の流れがさらに加速するかどうか注目されます。
既にお伝えしてきたように、まず想定しているのはアベノミクス相場が最初に中天井を打った2013年3月から5月にかけての局面です。当時ドル円は13年2月末の92円台から5月に103円台まで円安が加速して、つれて日経平均も2月末の1万1500円台から5月に1万5900円台まで急上昇して、円安と株高がひとまず止まる中天井となりました。今回も同じようなパターンになると想定しています。したがって勢いがついて上がっていく強い上昇相場には素直に乗るのが先決であり、かつ株高にはしゃがずに冷静にということです。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。