世界中から注目されていた先週末のジャクソンホール会合でのパウエル議長の講演は可もなく不可もなくというものでした。言い換えれば無難にクリアしたわけですが、その直前に中国が意表を突く形で対米輸入関税引き上げの報復措置を打ち出し、これを受けてアメリカも直ちに報復関税を打ち出すという米中の殴り合いが起こり、週明けから世界中の市場を揺るがせました。
アメリカの2年債と10年債の利回り逆転という逆イールド現象が12年ぶりに発生した直後で不安感が高まっていただけに、米中の殴り合いが失望感を生んでいます。
ただ、今のところNYダウは今月に入ってから2万5300ドル台と2万6400ドル台の間でボックスの形になっており、エレベーターで上下を往ったり来たりしている形です。NY市場の実勢を示すS&P500指数はさらにそれがハッキリしており、8月5日、7日、15日と3回に渡り2820ポイント台でザラバ安値を付けて止まっており、今週26日(月)も2834で下げ止まりました。一方、高値は8日から22日にかけて2940前後で3回高値を付けており、NYダウよりもさらに綺麗なボックスの形になっています。
ヌカ喜びが失望に変わり、失望で売りに回るとまた上に持っていかれるという典型的なエレベーター相場です。しかもほんの数日間でその上下が目まぐるしく変わりますので、迂闊に手が出せず、方向感は定まっていません。
日本株も全く同じで、日経平均とTOPIXは共にNYダウやS&P500指数と同じくボックスのエレベーター相場になっています。これを日米共に上下どちらかに放れていくことになるわけで、それが9月相場の最大の焦点と言えるでしょう。米中貿易協議の行方に関してグッドニュースが出れば、日米共にボックス上放れも期待できますが、ここは重要な場面を迎えました。
早見は6月のセミナーから金への投資を呼び掛けて来ましたが、その後も金相場は値上がりを続けて6年4ヵ月ぶりの高値になりました。不穏な空気はまったく解消されていません。
早見のEメール会員とFAX会員と有料情報では、先週19日(月)にゲーム株のブシロード(7803)に買い出動していただき、その後連日の上場来高値更新で、27日(火)に利食い売りを指示して、推奨から7日間でしっかり値幅を獲得していただきました。今回、ゲーム株はブシロード一本に絞って取り組み、成果を上げましたが、今週はゲーム株も波乱の動きになっています。素早い対処が求められる相場が続いています。しかしゲーム株の上げ相場はまだ終わっていないとみています。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。