10月相場は明暗どちらに分かれるかという大きな分岐点でしたが、米中貿易協議がひとまず決裂ではなく合意したことにより、一気に強気ムードが広がり、日米共に株が買い戻されています。
日経平均は今週2万2600円台まで急上昇して9月の戻り高値を抜き、昨年12月3日以来の2万2600円台回復となりました。つまり新高値です。4月の高値2万2300円台と9月の高値2万2200円台で上値の壁が作られていましたが、今週これを突破して半年ぶりにブレイクアウトの形になったわけです。
既に指摘したように、アベノミクス相場が始まって以降、2013年から昨年まで10月の日経平均の月足は全て陽線になっていました。今週はTOPIXも新高値になっており、溜まりに溜まっていたショートポジションがたまらずに買い戻し・踏み上げに追い込まれる形になっているわけです。
今まで米中貿易協議も何度もヌカ喜びをさせられて裏切られる繰り返しでした。今回も根本的な問題は何も解決しておらず、中国がアメリカからの農産物購入と引き換えにアメリカは中国に対する関税引き上げを再延期するという内容に留まっており、しかも口約束ですから正式に文書を交わしたわけでもありません。
しかし、たとえそうであっても相場はこのように一気に状況が変わるわけです。意地になって売り向かっていた投資家はことごとく大やけどを負う事になってきています。
早見はもちろんカラ売りはさせませんでしたし、日経225ダブルインバースETF(1357)も買わせていなかったので、株価が値上がりすることを歓迎する投資作戦で進めてきました。8月のボックスを9月にブレイクアウトして、今度は4月の高値も抜き、半年ぶりの大きなブレイクアウトです。第2段ロケットに点火した形ですから、ここはまず素直に見て行くべきでしょう。
ただ、この週末は英のEU離脱問題をめぐり、また波乱が起こるかもしれません。常に注意は怠れません。
※このコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。