2020年は米軍がイランのテロ組織指導者を暗殺したことから、イランもイラク国内にある米軍基地をミサイル攻撃するなど、中東情勢の不安が広がる年明けとなりました。
NYダウは、年明け初日は急上昇しましたが、2日目は中東不安で急落。日経平均も地政学的なリスクの高まりで円高にブレたこともあり、波乱のスタートになりました。ただ、大発会の時に早見の有料情報で中東情勢についてコメントしましたが、現状ではアメリカ側もイランに対する本格的な総攻撃を行う段階には程遠く、一方のイラン側も米軍基地にミサイル攻撃はしましたが、それ以上の本格的な戦争に踏み込む意志は感じさせていません。いつものように、リスク回避で円高に振り回される日本の株式市場の弱さが、改めて浮き彫りになった形です。
大発会の日経平均の動きは、1年を占うとは言えませんが、毎年コメントしているように、重要なのは年明け最初の3日間の動きです。今年は、大発会が値下がり、翌日値上がりで、3日目はまた値下がりと陰陽陰(●〇●)のパターンになりました。年初3日間がこのパターンになったのは戦後過去3回しか例がなく、今年で4回目です。過去3回はその年の日経平均は2勝1敗、66.7%の勝率で値上がりとなっていました。ただ、サンプル数が少なく、2勝1敗ではアノマリーとして鵜呑みにできるほどの信頼感はありません。
それよりも、例年注目すべきは大発会に値上がりで終わった銘柄のうち、売買代金が最も多かった一番人気銘柄です。これがその年の方向性や、物色の流れなどを占ううえで重要だと言えますが、今年の大発会一番人気銘柄はソニー(6758)で、二番人気はキーエンス(6861)でした。色々と波乱含みではあるものの、ソニーがこのような強さを見せているのは、今後の相場の行方を考えていくうえで参考にすべきと言えます。
今年は、アメリカは大統領選挙、日本は東京オリンピックですが、解散総選挙の可能性も無いとは言えません。イギリスのEU離脱問題に加えて、中東不安から始まったということで、やはり海外情勢が一番の大きなポイントと言えそうです。
日経平均はともかくとして、引き続き強い個別株を積極的に攻めていきましょう。
※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。