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昨年8月安値からの上昇局面は、ひとまずピリオド2020.01.31

 中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が全世界的な問題に広がっています。実際には毎年流行する普通のインフルエンザとたいして変わらず、感染すれば直ちに命にかかわるというようなものではありませんが、落ち着くにはしばらく時間がかかるのは仕方ないでしょう。

 2003年に流行したSARSの例を引き合いにする向きもありますが、当時と今とでは中国の経済規模が比較にならず、日本の場合も中国人観光客がけた違いに多くなっているので、病気そのものはたいしたことは無くても、人の移動が止まったり、産業活動、経済活動が停滞することによる影響は無視できません。特に日本は株価の頭を抑える大きな要因になります。
 日経平均は2万4100円前後のラインが上値の壁になり、今週は2万3110円台まで急落しましたが、これで週足チャートではMACDがデッドクロスしてきました。これは昨年8月の底打ち以降で初めてです。今週は週末終値で13週線を下回りそうですが、これも昨年8月以降で初めてです。

 前号で私は「新型肺炎のニュースなどで株価が下がれば押し目買いのチャンスというとらえ方をしている」と書きました。その基本的な考えは変わりません。中国は3月5日から全人代が開幕します。習近平主席は何としてもそれまでに強引にでも感染拡大終息という形に持っていきたいでしょう。したがって株価の下げ波乱もここ1ヵ月くらいでひとまず収まる可能性もあります。
 
 東証1部の騰落レシオは今週28日(火)に78.3まで低下しました。80を下回ってきたのも昨年8月の底値場面以来です。28日に日経平均が突っ込み安値をつけた形になったのは、これが逆張り的な買いポイントと判断されたためと思われます。いったん崩れましたから当面はまだ全体的に戻り売りに頭を抑えられるでしょうが、こうした全体的な急落の中でも逆行高で新高値になったり、右上がりのトレンドを崩さない強い株が現実にあります。まずはそうした強い株に目を向けましょう。

 今週強さが目立っていたのは、不動産株やREITです。資金の逃避先としてREITが見直されている面もありますが、不動産株も東京建物(8804)が新高値になるなど、相場全体が新型コロナウイルス騒ぎで下げ波乱になっている中で強い形であり、大いに注目したいところです。

 

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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