NYダウは今回の新型コロナウイルス問題で過去最速の下げで急落しました。しかし先週もコメントしたように逆張り指標に注目すべき段階に入っていました。早見も今週は有料情報で一段と逆張りのとらえ方を強調して、着実に安く買う投資作戦を実施しました。良い株を安く買うチャンスになっているとの判断です。
NYダウの月足チャートでは2009年のリーマンショック後の大底打ちの後、ここまで10年以上にわたり36ヵ月線が強力な下値の支えになってきました。
2010年7月、2011年10月、2015年8月、2016年1月、そして2018年12月と大きな調整局面の底値は、いずれも36ヵ月線に届いたところか、あるいは一時的に下回って底打ちとなっていました。今回も2月28日に一時36ヵ月線を下回りましたが、終値では大きく戻して、結局月末終値ではやはり36ヵ月線を上回って底打ちを示しました。
今回の暴落では米30年債利回りとSP500指数の配当利回りが逆転する状況になりましたが、前回2016年にこの状況になってきて米株は底打ちしましたし、その前はリーマンショックの大底局面でしたから、これは逆張り派にとって注目すべき現象だと前回も指摘しました。やはりひとまず暴落は行き過ぎ局面になったと見ています。SP500指数は終値ベースで見ると直近の下げ幅の4割を早くも戻しています。
株価暴落が世界各国の経済対策を促すことにもなり、FRBは緊急利下げを行いましたし、日本の場合も今週は日銀がこれまでのパターンを破ってETFの大量買いを入れて、日経平均のPBR1倍ラインを死守する姿勢を見せて東京株式市場にインパクトを与えました。政府も新たな補正予算で経済対策を検討しており、近く発表されます。
先週は株価の急落場面では冷静に逆張り指標をにらむ必要があると書きましたが、東証1部の騰落レシオや日経平均のRSI、25日線とのカイリ率など次々に非常に際立つ低水準になり、買い場になる可能性を示唆していましたので、早見は有料情報で順次逆張りでの買いを指示してきました。それらが順調に利が乗る形になっています。
落ち着きを取り戻して逆張りの買いだけでなく、今回の暴落相場でも崩れずに右上がりを保った強い株にも目を向けていきましょう。
※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。