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セルインメイは買い場になるかも2020.05.08

 3月に世界的に株価は底打ちして、あとは原油相場の下げ止まりだけとなっていましたが、その原油相場がようやく底打ちとなったようです。NYの原油相場は米国内の在庫がどんどん増え続けて、ついに保管する場所が無くなったということで投げ売りが殺到。史上初のマイナス価格になるという衝撃的な大暴落を演じました。

 しかし欧米で新型コロナウイルスにより停止状態になっていた経済活動が、ここへきて再開の動きが広がってきて原油の需給改善期待が出てきました。私も今年後半の原油相場は前半とはかなり様子が変わると見て、4月5日のさくらインベストのセミナーで、短期銘柄とは別に長期投資の観点で国際帝石(1605)の買いをお勧めしましたが、セミナー翌日の寄り付き値638円30銭から直近では700円まで1割近く値上がりしてきました。NYの原油相場も期近は26ドル台まで上昇して底打ちが明確になってきています。

 欧米では経済活動再開の動きが広がってきましたが、日本でもようやく政府が自粛解除に向けて方向転換をし始めました。甚大な経済的な損害に目を背けるわけにはいかなくなったということです。

 私は第二次大戦のときのNYダウの動きを例にとり、戦争の真っただ中で味方に大損害が出ている最中に株価は底打ちするということを指摘して、3月の暴落がまさにその底打ちになったという視点で見てきました。NYダウは2月の過去最高値からの下げ幅の半値戻り、ナスダック指数は3分の2戻りを突破して非常に強い株価の回復を見せています。日本の株価はまだ遅れてはいますが、それでも日経平均は直近で一目均衡表の雲の上に抜けだし、マザーズ指数は昨年11月の高値921から3月の安値527までの下げ幅の61%を戻して、ナスダック指数と同じく3分の2戻りとなりました。なおかつマザーズ指数の週足チャートでは3週線と13週線もゴールデンクロスしましたが、これも日経平均やTOPIX、ジャスダック平均に先駆けて先頭を切ってのゴールデンクロスです。アンジェスの値上りが大きく寄与しているとはいえ、それでもこの戻りの強さはおおいに注目されます。

 5月は「セルインメイ」ということがよく言われます。しかしNYダウを見ると必ずしも5月相場が毎年のように下がるわけではありません。昨年の5月は絶好の突っ込み買いの場面でしたが、一昨年も5月は特に下げたわけではなく、むしろそこから10月にかけての上昇相場のスタートの形でした。2017年も下がるどころか年末にかけての上昇相場に繋がっていく場面でした。明確に5月が売り場となったのは最近10年では2011年と2015年くらいです。むしろ下げたら買い場になる年も目立ちますので、あまり神経質に考えなくてもいいと思います。

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・追記したものになります。

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