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疑いの中で育つ相場2020.05.22

 前号では「セルインメイは考えすぎないように」として、セルインメイなど根拠が乏しくあてにならないと書きました。もう一度指摘すれば、昨年まで10年間だけ見ても5月に売ったら9月まで戻るなということで、5月末と8月末のNYダウの終値を比較すると、2016年から昨年まで4年連続で上昇しています。つまり9月まで待っていたら値上がりを逃してしまう形になっているのです。

 5月だけを見ても4月末の終値と5月末の終値を比較すると、最近10年間で5%以上の下落率はわずか3回しかありません。逆に6回は上昇していますから、5月だけをとっても必ずしも米国の株価は下げてはいません。

 にもかかわらず多くの投資家や市場関係者は、セルインメイだから株価は下げる可能性が大きいとか、新型コロナウイルスの感染第二波が来たら大変だというようなことばかり心配しています。

 しかし実際にはそうした弱気、慎重な声をしり目に日米の株価は順調に値上がりしており、今週はナスダック指数が2ヵ月ぶりの高値となり、2月の過去最高値からの下げ幅の8割を戻してしまいました。今週はNYダウや日経平均が75日線も突破してきました。日経平均は近日中に50日線が上向きに転じます。このように中期的な移動平均線にも大きな変化が出てきました。弱気、慎重な見方が多い中で株価は逆に値上がり基調を続けているのは、まさしく「相場は疑いの中で育つ」という言葉どおりです。

 前号でも弱気派は何か下がる理由を見つけてきては意地を張っているように見えるけれども、そうした弱気がまだまだ多いうちは株価の上昇基調は大きくは崩れないだろうと書きました。

 もう欧米もどんどん経済活動再開に乗り出しています。結局普通のインフルエンザとたいして変わらない病気のために大規模に経済を止めてしまったことで、どれほど甚大な経済的な犠牲を払ったか、ようやく冷静さを取り戻してきたようです。

 日本は例によって常に周回遅れで後手に回りますが、今回も東京が最後まで外出規制などを継続することになります。しかしすでに広い地域で緊急事態は解除されて、次第に経済活動が元に戻るために動き出しました。株価は悪材料を織り込んでしまえば、次の局面に向かって変化していきます。弱気の投資家がたまらずに買い戻していく状況に追い込まれていくでしょう。

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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