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弱気派を追い込む相場2020.05.29

 早見は3月のセミナーで「今回の暴落はリーマンショックではなくブラックマンデーを参考にすべきだ」と解説しましたが、同時に「あの時は日本がバブル相場の真っただ中だったが、ブラックマンデーの暴落で終わりではなく、そこからバブル相場の後半戦が始まった」ことを指摘しました。

 続いて4月のさくらインベストのセミナーでは「第二次大戦の時のNYダウは戦争が終わるのを待ってからではなく、戦争の真っただ中で大底を打った。今はウイルスとの戦争真っただ中だが、これ以上の下値を考えるより、いかに株を買っていくかを考える方がいい」と指摘して、「特に若い人は長期投資で株を買ったり、積立投資を始めるチャンスだ」と呼びかけました。そして5月に入ってからは「セルインメイは根拠が乏しいからあてにならないので、考えすぎないように」と指摘しました。思った通りの展開で株高が続いています。

 しかし多くの市場関係者や投資家の間には、二番底を警戒したり、新型コロナウイルスの感染第二波の心配、セルインメイ、海外投資家の日本株大量売り、業績面からの割高感、米中摩擦などこれでもかこれでもかと弱気材料を探して、この株高は信頼できないというような弱気、慎重な見方がずっと根強く続いていました。

 実際はそうした弱気な見方を覆してここまで株高が続いてきました。日経平均は3月のザラ場最安値1万6358円から5月28日の高値2万1,902円まで2ヵ月で33%も値上がりしています。上げても上げても弱気、慎重な見方をしていた市場関係者や投資家は完全に見込み違いで追い込まれています。今週は日本が緊急事態を全面解除して材料出尽くしになるだろうとみていた向きが多かったようですが、これもまたあてが外れて材料出尽くしではなく、逆にあく抜けの形になり、さらに株高に向かいました。日経225のレバレッジETF(1570)のカラ売りや、ダブルインバースETF(1357)の買いを行っていた多くの投資家は火だるま状態になっています。当コーナーでも「そうした弱気がまだまだ多いうちは株価の上昇基調は大きくは崩れないだろう」と書きました。

 株価は悪材料を織り込んでしまえば、次の局面に向かって変化していきます。それは新たなバブル的な相場の気配が濃厚です。今週は東証1部の騰落レシオが132.9まで上昇して、3月の底打ち以降で最高になりました。日経平均やTOPIXは200日線に接近しています。中国では香港弾圧のための国家安全法が採択されるなど米中摩擦への警戒感が再燃して、目先的にはスピード調整のムードが出るでしょうが、結局は弱気の投資家がたまらずに買い戻していく状況へと、さらに追い込まれていくでしょう。

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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