まさかの連続2020.06.12

 今週はついにナスダック指数が過去最高値を更新しました。2月につけた9838ポイントの高値を抜いて、今週は10000ポイントの大台乗せを達成。弱気派の投資家や市場関係者が目を見張る事態になりました。

 今年はまだ半分ですが、まさか新型コロナウイルス問題で世界恐慌以来と言える経済の大崩壊で、2月から3月にかけて歴史に残る世界的な株価大暴落になるとは、1月から2月の頃に誰が想像したでしょうか。

 続いて3月に世界的に株価は底打ちして戻りに転じたわけですが、今度は多くの投資家や市場関係者が「どうせまた下げてくる」と二番底を警戒していたのに、相場はあれよあれよという間にここまで4月以降ほとんど一本調子の強い戻りになり、二番底どころかV字型の切り返しでナスダックが先頭を切って過去最高値を更新しました。この強さと速さも多くの人々にとっては「まさかそんな」と言える動きでしょう。現実に弱気のポジションを持っていた投資家は大損害を被っています。

 そしてさらに5月分の米雇用統計は、市場予想の前月比800万人減少見通しに対して、なんと250万人の増加という目を疑う結果となり、誰一人予想できなかった「まさか」の大サプライズとなりました。

 このように今年に入ってから目の前で起きていることは、「まさか」「まさか」の連続です。このようなことが起きるとは誰も予想できなくて当然です。

 結局ナスダック指数が過去最高値を更新したことにより、早見が3月のセミナーで「今回の暴落はリーマンショックではなく1987年のブラックマンデーを参考にすべきだ」と解説したことが的中しました。あの時も日本の株価は大暴落の底打ちからバブル相場の後半戦に入り新高値になって89年の大天井まで再び上昇相場が続いたのです。今33年ぶりにあの時と同じことが起きています。

 しかし、さすがにこれだけの見込み違いを突き付けられて、今まで売りに回っていた投資家がたまらずに買いに転じたり、株価の強さを見て遅ればせながら株を買い始めた投資家が増えてきたようです。弱気の見解を述べていた市場関係者も次々に強気の見方に変ってきました。そうなると今度はそうした強気が「まさか」の見込み違いになることも短期的には考えておかなければならないと週刊レポートで書きましたが、その直後に今週NYダウは3ヵ月ぶりの大きな下げ幅で縮小しました。

 東証1部の騰落レシオは6月2日に150に到達しました。これは2017年5月以来3年ぶりです。また日経平均の25日線とのカイリ率も8日に10.2%まで拡大してきました。こうした逆張り指標を見るといつ短期的なスピード調整の動きがはっきりしてもおかしくありませんでした。前号でも売り方の買い戻しや出遅れ組の買いが増えてくるのはひとまず警戒シグナルだと書きましたが、まさにその局面がやってききました。3ヵ月ぶりの大きな下げとなり、ここからの相場の様子をしっかり観察しましょう。

※このコラムは毎週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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