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4連休を境に情勢急変。2018年10月を思い出す2020.07.31

 日米共に短期的な株価のスピード調整の局面が終わり、新たな上昇局面に入ったとみられていましたが、日本が4連休中に突然米中双方が自国内にある相手国の領事館を閉鎖する事態になり、米国内でスパイ活動をおこなっていたとみられる中国人がFBIに逮捕されました。大使館や領事館の閉鎖というのは戦争一歩手前で起こることですから、米中はこれまでのような通商問題の対立ではなく、いよいよ軍事的な緊張を伴う新しい段階に入りました。軍事行動のターゲットは中国が南シナ海に建設した人工島の軍事基地になることは疑う余地が無いと思いますが、在日米軍の司令官も7月29日の会見で、尖閣諸島を守るために日本を支援すると明言しました。色々と踏み込んできています。

 米株のバブル相場の象徴であったナスダック指数は、週足チャートで高値での陰線つつみ足に続いて先週は長い上ヒゲの陰線になりました。2週連続陰線は3月の底打ち以降で初めてです。前回2週連続陰線になったのは2月の天井打ちの場面であり、その後コロナ暴落に転落していきました。その前に最高値のレベルで2週連続陰線になったのは2018年10月の天井打ちの時で、やはりその後2018年12月にかけてナスダックは暴落しました。

 FOMCでは従来からの金融緩和路線の継続が再確認されました。コロナ感染拡大が最大のリスクであり、FRBは経済を支える対応を進めていくことに変わりありませんが、過去最高値のところでのナスダック指数の変調は要注意です。

 日本株もマザーズ指数が今週7月29日の終値で10日線と50日線がデッドクロスしました。これも3月の底打ち以降で初めてですが、前回のデッドクロスは1月半ばで、その後コロナ暴落に突入しました。マザーズ指数は週足のMACDも今週下向きましたが、これも前回は1月です。

 ナスダック指数とマザーズ指数の変調は軽く見るわけにはいきません。おりしもNYの金相場がついに過去最高値を更新して、なおかつドル円も3月以来の104円台まで円高が進みドル不安の空気になっています。4連休前とは急に情勢が変わりました。

 米中問題については、思い返せば2018年10月に米副大統領が行った中国に対する歴史的な演説からすべては始まりました。私も直ちに2018年10月のセミナーで「これは米国による中国に対する事実上の宣戦布告である」と断言しました。その演説の中で既に「中国政府はあらゆる手段を使って米国の知的財産を盗もうとしている」とはっきり副大統領が名指しで明言していました。それが今回米国による中国に対する領事館閉鎖という戦争一歩手前の行動となってきたのです。その2018年10月の時と同じくナスダックが最高値で2週連続陰線となっているわけですから、これは無視できません。

 この米国の対中行動の急変に合わせて安倍首相が動く可能性があります。この際消費税減税を掲げて今年秋に解散・総選挙に踏み切り、勝利を収めて憲法改正の足場を固める行動に出ると思われます。なぜならばそれが出来なければ中国と戦うことは出来ないからです。米中対立に日本も巻き込まれて、秋はやはり政治が大きな焦点になりそうです。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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