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米株、不吉な形を引っくり返せるか2020.10.23

 米国株バブルの象徴であったナスダック指数は、9月に月足チャートが過去最高値で陰線包み足になりました。通常なら天井打ちの形です。ところがあっという間にザラ場ベースの下げ幅の93%を戻してしまうという驚くべき回復力を見せました。もしこれで新高値になればまさに典型的なチャート破りの形であることを前回指摘しました。

 そのナスダック指数は10月12日の高値をつけた翌日から21日まで、日足チャートで陰線6本、陽線1本で下げに転じました。9月2日に過去最高値をつけた時に翌日から陰線5本、陽線2本で下げに転じて、その後9月21日の安値までさらに下げていきました。そして2月19日に当時としての過去最高値をつけた時も、その翌日から陰線5本、陽線2本で下げに転じて、その後コロナ暴落で3月の大底まで突っ込んでいきました。今回は高値をつけた翌日から立ち合い日数7日間で陰線6本というのは今年初めてです。

 今年に入ってから2月と9月にいずれも最高値をつけた翌日から陰線5本、陽線2本で下げに転じた時に、いずれもその後さらにナスダック指数は下げていきましたが、3回目の今回は今年初めての形であり、果たしてどうなるか要注目です。

 ただ2月と9月の時はどちらも週足チャートでパラボリックも陰転しましたが、今回は週足のパラボリックは直近で逆に陽転しており、この点は大きな違いです。従って3回目の今回もまたナスダック指数が大きく下げるとは言い切れず、ここまでで9月初めの高値からの下げ幅の93%を戻してしまった強さからすれば、単なる一服場面になる可能性もあります。

 相変わらず日経平均は大きな動きは無く、東証1部の売買代金も低水準です。米大統領選挙の投票日が近付き、多くの個人投資家は警戒感や疑いの目で見ているので、なかなか積極的には動けません。

 菅政権のデジタル改革という国策に沿って上昇トレンドが続いているのは、80年代後半のバブル相場以来の流れです。もちろん短期的な調整もあるでしょうが、非常に大きな流れであることは踏まえておかなければなりません。

 菅首相が進める日本の産業構造や社会の歴史的な変革を狙う取り組みを背景に「国策に売り無し」という事で、時流に乗る株は引き続き追いかけていきたいと思います。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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