1月の日経平均の月足チャートは極めて長い上ヒゲを引きました。上ヒゲの値幅は1404円にも達しています。上昇相場が続いた後で最高値のところで1000円以上の値幅の上ヒゲを引いたのは前回2018年1月の1056円幅以来ちょうど3年ぶりで、前回は翌2月相場で暴落しました。前々回は2013年5月の2105円幅で、この時も翌6月に暴落しました。従って今年も1月の日経平均が1000円以上の値幅の極めて長い上ヒゲを引いたのは、2月相場での下げ波乱を警戒すべきであることを示唆していると言えます。
アベノミクス相場が始まった2013年以降8回の2月相場を見ると、2月にグンと値上がりしたのが3回、グンと値下りしたのも3回ですから、2月相場は上下どちらかに大きくぶれやすい性格が見て取れます。
その2月相場は、日経平均は1月の長い上ヒゲの中で再びグンと値上がりしてきました。早くも2月3日時点で1月高値からの下げ幅の8割以上を戻しており、もしこのまま強さを保つことが出来るなら上ヒゲ全否定の形になるかもしれないという、予想以上に早い戻りを見せています。
また米国の株価も1月末に下げ波乱になり、米株の主要な3つの株価指数は、SP500指数とナスダック指数は過去最高値で週足が陰線包み足になり、週足のMACDも下向きました。これが重なったのは前回昨年9月で、その後一段安になりました。米国市場ではSNSを使っての個人投資家の集団的な買いが、ヘッジファンドなど機関投資家を揺さぶり大打撃を与えるケースが頻発して社会問題となっており、そうした行き過ぎ感が株価の波乱要因としてクローズアップされるなど波乱ムードになってきましたが、こちらも2月に入ってから強烈な値戻しを見せており、2月4日時点でナスダック指数とSP500指数は早くも終値ベースで過去最高値を更新しました。驚くべき強さで、まさにバブル相場です。
このように日米共に1月末に作ったチャート的な悪い形を、あっさりひっくり返しそうな勢いで急速な値戻しになっています。まさに典型的なチャート破りということになります。元々2月相場は上下どちらかにぶれやすいという性格がありますが、崩れるかと思われたのがあっさりと強い形に戻れば、再び売り方の踏み上げ・買戻しで値上がりに弾みがつくかもしれないので、強い基調が変わらないなら素直についていくのが基本です。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。