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短期的な調整完了か2021.03.12

 日経平均が2月相場で30年半ぶりに3万円の大台を回復して、証券界全体が「バブルだ」と浮かれていたムードに冷や水を浴びせる調整場面に入ったというとらえ方を当レポートで書きました。

 日経平均は2月16日の最高値3万714円から3月5日の安値2万8308円まで一気に約2,400円も急落してしまいました。マザーズ指数に至っては今週9日に一時半年ぶりの安値に落ち込みました。マザーズの崩れは個人投資家の短期的な売買心理に大きな影響を与えますが、2月16日のザラ場最高値1,340から3月9日の安値1,113まで、ほとんど一本調子に17%も下げましたので、目先狙いの個人投資家にかなり痛手になったと思われます。

 動きに煽られて高値を飛びついていったような人々にとっては、少し頭を冷やす好機だとみましたが、さすがに私も色々行き過ぎているなと思う事柄が多々あり、そうした行き過ぎムードが見事に冷やされました。

 日経平均は3月5日の安値でザラ場段階で50日線を下回りましたが、その日は結局下ヒゲを引いて戻りに転じました。昨年3月の大底以降ここまでの間で、日経平均は50日線を下回ってきた場面は常に逆張りで買いに向かうのが正解でした。多少行き過ぎて75日線を下回ることがあっても、それは短期的にすぐに修正されて再び上昇していったので、今回もここまでの下げは冷静に見ていました。

 日米共に上昇トレンドはまだ崩れてはいないと指摘してきました。米国の株価もナスダック指数の下げが特に目立っていましたが、今週はNYダウが早くも過去最高値を更新しました。NY市場の実勢を示すSP500指数も終値ベースでは2月の過去最高値からの下げ幅の78%を戻しました。下げがきつかったナスダック指数も100日線を下回りましたが、これは昨年3月の大底以降で2回目です。前回昨年10月末に下回った時は、それが底打ちの場面になりました。今回も同じとみています。

 2月からの下げはあくまでも短期的な行き過ぎムードに対する冷やしの場面であり、大きな上昇トレンドが崩れたとは考えていません。「節分天井・彼岸底」というのは、まったくあてにならない経験則ですが、無理やりおおざっぱに言えば、今回節分の2月に高値をつけたので、今度は彼岸の3月で短期的な底打ちということになると思われます。

 3月は年度末で期末の配当権利取りの面からもバリュー株の方に目が向きやすい時期ですが、ここは大型株から小型株まで引き続き国策に沿うものを中心に見ていくべきです。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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