先週はFOMCを無事通過したと思いきや再び米金利が急上昇して、株価がまた下げ波乱の形になりました。続いて日銀がETFの買いをTOPIX型に限ると決めたことから日経平均がガタガタと崩れ、相場全体の地合いを一気に悪くしました。
私は2月のセミナーで「日経平均が3万円台に乗せてからは、日本固有の問題がクローズアップされてくるので要注意」と話しました。その日本固有の問題とは①日本の政治不安、②政府なり日銀なりが株高を抑え込みにかかる、という二つの点でした。実際に日銀がETFの買いをTOPIX型に限ると決めたことで、それまでの上昇基調が崩れたわけで、あのバブル崩壊の時の悪夢がまた頭をよぎります。
日経平均が3万円に乗せる前と乗せた後では意味合いがまったく異なります。3万円という大台に乗って30年ぶりの高値になったので、2月は投資家や市場関係者の間にバブルのムードが広がり、マスコミでも話題になりました。それは当局が警戒感を強めるには十分な材料になったと思います。それを2月のセミナーで警告しました。
この国は基本的に政府や金融当局は株価が上がることを良しとせず、株価が上がるのは悪いことだととらえたがる風潮があります。従ってこれからいよいよいというところで株高を壊してしまう事が繰り返されてきました。今回もそれを危惧していたわけですが、まず日銀が余計なことをしてくれました。
ただ昨年まで日経平均の月足を見ると3月は4年連続陰線で、今年も現時点で5年連続陰線です。年度末の3月相場は鬼門です。ところが4月は様子が変わります。昨年まで4月の日経平均の月足は逆に4年連続で陽線となっています。年度末の3月相場と新年度入りの4月相場は空気が変わる可能性が今年もあるので要注目です。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。