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常在戦場の5月相場2021.05.07

 日経平均は4月30日に241円安と急落しましたが、これで昨年9月末から8ヵ月連続で月末最終日は3桁以上の下げ幅となっています。月末最後の日は下げるというパターンが定着してしまいました。週足チャートでは4月末で4週線と13週線がデッドクロスしましたが、これは昨年3月の大底以降で初めてで、さらに悪い形が追加されています。

 2021年の日経平均の高値の目安は3万100円~3万300円のところだと予想を示しましたが、2月16日にザラ場で3万714円まで値上がりしてピークアウトしています。それから2ヵ月経っても高値を抜くことが出来ずにデッドクロスですから、ほぼ予想したレベルでのピークアウトです。

 自民党は4月25日投票の3つの衆参補欠選挙と名古屋市長選挙も全敗。夏の東京都議会議員選挙、そして衆議院の解散が無くても秋には総選挙があり、政治が先行き不安定になるのは懸念材料です。コロナ禍でまた緊急事態宣言を出す羽目になったので、政治がしっかりしないのは懸念材料です。

 前回も指摘したように日経平均は4月下旬に半年ぶりに100日線を下回りましたが、前回昨年10月末の時とは違い今回は一目均衡表の雲の下に突き抜けてしまいました。この2つが重なったのは昨年3月の大底以降で初めてですから、4週線と13週線のデッドクロスとピタリ合っています。

 日経平均の月足は3月は5年連続陰線で、3月としては戦後最長の連続陰線記録になりました。4月も7年ぶりの陰線で売り圧力の高まりを示していますが、これで今年に入ってからの月足の陰陽は1月から4月まで〇〇●●のパターンになっています。1月から4月までこのパターンになったのは戦後振り返ると1967年、1998年の2回しか例がありません。今回は3回目ですが、過去2回の例を見ると2回とも5月相場の日経平均は陽線〇になっています。悪い形をひっくり返す値上がりを5月相場で見せることが出来るかどうか。東京五輪の開催の有無と合わせて5月は何かが大きく動く可能性もあります。

 今のところ日経平均は3月以降28300円台~2万8400円台で下値抵抗ラインが作られておりボックス相場の形です。これを下に放れていないので決定的に上昇トレンドが崩れたと言えるわけではなく、まさに正念場の状況が続いていますが、上下どちらにもありうる常在戦場の相場と言えます。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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