このところ当コーナーでは、日経平均の悪い形が次々に出ていることを指摘して注意を呼び掛けてきました。前号の当コーナーでも「日経平均には昨年3月の大底以降で初めての悪い形が相次いで出ており、ついにボックスを下に放れてしまった。日銀のテーパリングも始まり、支えが無くなった」と書きました。
結局先週は日経平均が終値ベースでみると10日の戻り高値から13日の安値まで3日間で2070円も急落してしまいました。19日現在終値では7日連続で100日線を下回っています。14日には10日線と100日線がデッドクロスしましたが、これももちろん昨年3月の大底以降で初めてです。週足チャートでも先週26週線を下回りました。これも昨年3月の大底以降で初めてです。そして月足チャートでは今月で3本連続陰線ですが、これも昨年1月から3月までの3本連続陰線以来です。
昨年12月のセミナーで予想した2021年の日経平均の高値の目安3万100円~3万300円を達成した2月16日にザラ場で3万714円まで値上がりして、ドンピシャリでその日に天井打ちとなりました。それから3ヵ月経っても高値を抜くことが出来ずに崩れてきていますので、これで今年前半の最高値になったと思われますが、年間通しての最高値になる可能性も充分にあると前回もコメントしました。
日銀は今月に入ってからETFは一切買っておらず、もはやよほど暴落でもしない限り買うことは無いと宣言したかのようです。前回も書いたように量的緩和の縮小、いわゆるテーパリングを開始したとみて間違いないでしょう。
新型コロナのワクチン接種が行われており、接種率が上がるにつれて新規陽性者の数も減ってくると思われます。欧米に比べて日本は接種に後れを取りましたので、ワクチンの効果が目に見えて現れてくるにはもう少し時間がかかりそうですが、株式市場は先取りで期待感からの買いが戻りそうです。
そうこうしているうちに米国のインフレ懸念、金利上昇、増税懸念名地で米国の株価が再び下げ波乱になる可能性もあり、そうした悪い動きには日本株は連動しやすいので要注意です。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。