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悪材料織り込み、あく抜け相場に期待2021.06.04

 前号では「TOPIXは崩れずに頑張っている。ワクチンの接種率が上がるにつれて日本株にも安心感が広がることに期待を持ちたい」と書きました。ワクチンの接種は急ピッチで加速しており、ついに人口の1割が接種というところまで来ました。それに歩調を合わせて航空会社や電鉄会社などアフターコロナの関連株の株価が今週は急上昇してきており、株式市場は1年以上にわたるコロナ禍に関して、ついに悪材料織り込み済みという空気が強まってきました。

 早見は週刊レポートや有料情報、セミナーなどで4月後半から特に中大型株に重点を置いて次々に買い推奨してきましたが、トヨタを筆頭に日立、デンソー、住友化学、レーザーテック、シチズン、リコーが今週も新高値。その他昭和電工、三菱自動車、豊田自動織機、三菱UFJフィナンシャルなども値上がりしています。

 前回も書いたように、日経平均に比べればTOPIXは致命的に悪い形ではなく、6月相場の初日も日経平均とは対照的に月初としては5ヵ月連続の値上がりとなりました。日足チャートでは直近で10日線と100日線がゴールデンクロスしましたが、これは前回昨年6月にゴールデンクロスした時以来1年ぶりで、前回はその後今年3月の最高値まで大きな上昇相場に発展していきました。今週は一目均衡表で雲の上に完全に抜け出しましたが、これも3月の最高値以降で初めてで、良い変化が表れてきました。

 今月は米国の物価と金利が焦点になります。今週末4日に米雇用統計が発表されますが、続いて10日に米消費者物価指数が発表になります。そしてそれらを踏まえて16日のFOMCでテーパリングについての議論がどのようになされるかに市場の注目が集まるでしょう。

 また日本では東京五輪について開催の最終結論も注目されます。多くの市場関係者は五輪中止なら株価は上がるとみていますが、私は開催決定でも株価は上がると考えています。それはつまり不透明感が解消されるからです。

 そして7月4日投票の東京都議会議員選挙の結果もこれから要注目です。今年に入ってから自民党は重要な地方選挙で負け続けていますが、ワクチンの接種も進み、人々の間に安心感が広がるにつれてムードが変わってくることも期待されます。

 前回は「まだ不安定で波乱含みですが柔軟に相場の変化には対応していきましょう。」と結論づけました。相場の良い変化が表れてきたので、悪材料織り込み済み相場に期待したいと思います。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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