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弱気の多数意見はまた外れるか2021.06.11

 日本もワクチンの接種が急加速で進んでおり、悲観的な見方は影が薄れてきています。

 この1年以上を振り返ってみると、株式市場では多数意見がことごとく裏目に出ていることが分かります。昨年2月から3月にかけての株価暴落時には、「このまま世界恐慌になるのではないか」とか、「経済や株価の暴落が長期にわたる」との見方が支配的でした。しかし実際は株価は昨年3月にあっさり大底を打ち、その後も二番底があるとの見方が多かったものの、二番底はありませんでした。昨年5月からのセルインメイも空振りで、セルインメイを信じて弱気になった投資家は大損する羽目になりました。

 今年も例えば5月にたった3日間ほど下げ波乱はあったものの、そこから米国の株価はどんどん戻しており、NY株式市場の実勢を示すSP500指数は、終値ベースでは5月7日の過去最高値を抜き、ナスダック指数は4月高値からの下げ幅の約9割戻し、米小型株の指標であるラッセル2000指数も今週は3月の最高値からの下げ幅の92%を戻しました。セルインメイを鵜吞みにする投資家は今年も空振りです。

 今月は米国ではテーパリング問題が懸念視されていますが、米株の動きを見るとそれほど恐れる必要があるのでしょうか。日本では東京五輪の問題が取りざたされており、五輪中止なら株価は上がるという見方が多くなっていますが、果たしてそうでしょうか。私は五輪を開催しようが中止しようが株価は上がると考えています。株式市場にとって一番困るのは不透明なことであり、結論が出て不透明感が解消されれば株価はあく抜けの形になるとみています。

 前々号では「ワクチンの接種率が上がるにつれて日本株にも安心感が広がることに期待を持ちたい」と書きました。ワクチンの接種は急ピッチで加速しており、それに歩調を合わせて航空、電鉄、外食、小売り、不動産株などアフターコロナの関連株の株価が急上昇してきており、前号では「株式市場は1年以上にわたるコロナ禍に関して、ついに悪材料織り込み済みという空気が強まってきた」と書きました。

 東証REIT指数は今年の最高値を更新しましたが、ジャスダック平均も終値ベースで4月の最高値からの下げ幅の87%を戻しました。日本株にも強さが戻りつつあります。弱気の多数意見はまた外れると思います。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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