いよいよ今年の相場も後半戦に入りました。今週米国株は、SP500指数とナスダック指数、半導体株指数が過去最高値を更新しました。6月相場で異常な急落を見せたNYダウも、今週は終値ベースでは5月の最高値からの下げ幅の81%を戻したので、米株のサマーラリーへの期待が高まってきました。
日本株は日経平均の月足チャートでは3月から6月まで4ヵ月連続陰線になったことを気にする向きが多いpようです。米株をいまだにNYダウで観測している人が多いのと同じですが、日本株も日経平均よりもTOPIXで相場を観測しなければなりません。
日経平均とTOPIXでは形がだいぶ違います。TOPIXと日経300平均の月足チャートは3月から6月までの4ヵ月間を見ると陽線3本、陰線1本ですから日経平均の4本連続陰線とは全く違います。日経500平均もこの4ヵ月間は陽線2本、陰線1本です。新興市場もジャスダック平均は陽線2本、陰線2本で3年1ヵ月ぶりの高値になっていますし、マザーズ指数も6月の月足は陽線です。日経平均だけが異常に弱い形であり、それが日本株の実勢を表しているとは言えません。
さて、今年後半最初の大きな注目イベントは、7月4日投票の東京都議会議員選挙です。事前の世論調査で自民党がダントツの支持率を集めて、小池都知事系の都民ファーストの支持率は暴落していることをお伝えしましたが、その後も各種の調査でだいたい同じ傾向であることが報じられています。前号でも「この都議選で自民党の大勝があれば、9月に予想される解散・総選挙に向けて、株式市場にはさらに安心感が広がるだろうという見方にも変わりない。風の流れが変わってきた。」と書きました。
選挙は水物であり、最終的に結果が判明するまで油断禁物ですが、自民党が勝つには勝っても圧勝というほどではなかったとなれば受け止め方が変わってきます。小池都知事が体調を悪くしてダウンしたことも同情票を集めることになりかねませんし、自民党が慢心して油断することによる失速もありえます。
自民党が圧勝するようなら、ワクチンの接種加速、東京五輪開催で国民のムードが高まることも期待され、9月に行われる可能性がある開催・総選挙に向けて追い風となり、株式市場にとっては安心感につながるでしょう。果たして都議選で自民党が圧勝して都議会第一党の座を奪還するかどうか注目しましょう。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。