重苦しい雲行き2021.07.09

 米国株は、SP500指数とナスダック指数、半導体株指数が過去最高値を更新したのに続いて、6月相場で異常な急落を見せたNYダウも、ついに過去最高値を更新しました。米株のサマーラリーへの期待が高まってきたと言えます。

 前回書いたように日本株は日経平均は今のところ今月で月足は5ヵ月連続陰線となっています。しかしTOPIXと日経300は、3月から今月までの5ヵ月間で陽線〇3本、陰線●2本。新興市場もジャスダック平均は〇2本、●3本で3年ぶりの高値になっていますし、東証2部指数も〇3本、●2本で3年ぶりの高値となっています。日本株の力不足は間違いありませんが、決して全滅ではなく、日経平均だけを見て日本株の実勢を論じることは出来ません。

 今年後半最初の大きな注目イベントであった東京都議会議員選挙は、自民党は議席を伸ばして都議会第一党を奪還したものの圧勝には程遠く、期待外れの結果になりました。このため秋の総選挙に向けて、このままではまずいという空気になっています。次は8月8日投票の横浜市長選挙が重要で、保守分裂となり菅首相のおひざ元でもあるので、この結果によっては完全に菅首相では総選挙を戦えないという空気になりかねませんので要注意です。政治的には2009年に自民党が総選挙で大敗して、民主党政権が誕生した時を思い出させる空気になってきました。前回「都議選で自民党が勝つには勝っても、圧勝というほどではなければ受け止め方が変わるだろう」と注意した通りです。今は2009年の時とは違い野党への政権交代は考えられませんが、政治が安定しないで不透明感が強いのは株式市場にとってはマイナスです。

 東京五輪は開催しますが、それを前にまたしても東京都に緊急事態宣言を発出することになり、ワクチンの不足が表面化して不安や不満も高まっている状況です。

 前回「自民党が圧勝するようなら、ワクチンの接種加速、東京五輪開催で国民のムードが高まることも期待され、9月に行われる可能性がある解散・総選挙に向けて追い風となり、株式市場にとっては安心感につながるだろう」と書きましたが、その流れは雲行きが怪しくなってきました。

 こうした中で、右上がりの上昇トレンドを崩さないもの、相場全体が急落など波乱の動きになっても逆行高の形になっている強い株を見直すべきです。今回は日足チャートを見れば分かるように日経平均とは全く対照的な形になっている株をピックアップします。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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