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なんとか踏ん張って、出直りへの期待つなぐ2021.07.16

 米国株はその後も上昇基調をしっかり保ち、今週もNYダウ、SP500指数、ナスダック指数が揃って過去最高値を更新しました。今週は6月の米消費者物価指数が発表されて、13年ぶりの高い伸びになり金利が急上昇しましたが、米株は特段の崩れにはならずにしっかり高値水準を保ちました。

 金利が上がるから直ちに株は売りだと決めつけるわけにはいきません。多くの投資家や市場関係者が基本的に間違っているのは、そこのところのとらえ方だと思います。ちょっとしたことですぐに弱気になって株を売るわけですが、結果的に市場はそれを歓迎するかのように売りを吸収して上昇トレンドを続けています。

 コロナ禍のどん底から経済が回復しているわけですが、その経済回復が巡航速度で進む分には問題ないのです。行き過ぎて過熱すれば放置できませんが、そもそもどん底からのスタートですから数字も強く出がちであり、それをもってして直ちに過熱と言えるわけではありません。

 それよりも問題は、欧米がコロナ禍からどんどん回復している中で、日本だけがまたしても緊急事態宣言というように遅れをとっていることで、それに絡んで政府への批判が高まり、内閣支持率がまたしても下落していることです。NHKの調査では内閣支持率は33%で、発足後の最低となりました。東京都議会議員選挙も自民党は圧勝できず、それが東京五輪の無観客、東京都の緊急事態宣言というように迷走することにつながり、さらにワクチンの供給不足や西村経済再生相の問題発言で、全国的に政府批判が燃え広がるというように、秋の総選挙に向けて政治がまったく安定しません。これは株式市場にとっては要注意です。

 ただ、大リーグの大谷選手の活躍に日本中の目が向いているように、東京五輪が始まれば無観客でも日本選手の活躍で国民のムードも良くなり、そうこうしているうちに再びワクチンの接種も進み、落ち着きを取り戻す可能性があるので、ここはこらえどころでしょう。

 株価指数を見ると、日経平均は例によって形が良くないものの、TOPIXは崩れたと言えるわけではなく、東証2部指数は今週いち早く新高値。ジャスダック平均も終値ベースでは6月30日の今年の最高値のところに戻ってきました。東証1部の小型株指数も4ヵ月ぶりの高値になっています。日本株も米株ほどではありませんが、それなりに踏ん張っています。主力株でも強いものが出てきて、調整完了から新高値に向かいそうな株が出てきました。そうした強さは素直に受け止めていきましょう。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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