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ワクチンと五輪効果に期待2021.07.22

 先週まで上昇基調を保っていた米国株が、今週急に崩れました。先週はNYダウ、SP500指数、ナスダック指数が揃って過去最高値を更新しましたが、今週はNYダウが昨年10月下旬の下げ波乱の時以来の大幅安になり、SP500指数は5日連続陰線で、昨年3月の大底以降での最長連続陰線記録となりました。この下げ波乱の背景にあるのはコロナウイルス変異型の感染が急拡大していることに対する警戒感です。金利の上昇に対しては抵抗力を見せていた株価ですが、変異型ウイルスの感染拡大は、昨年の大暴落の悪夢を思い出させるのは無理からぬところです。

 ただ、下げ波乱にはなったものの、米国の株価が決定的に崩れたと言えるわけでもありません。直近で主要な3つの指数は揃って過去最高値をつけていたわけですが、今週下げたと言っても3指数とも週足チャートでは4週線を下回った程度です。もう少し下げる可能性はありますが、それでも昨年3月の大底以降での短期的な調整の域を出ない動きです。この程度の動きはずっと繰り返されてきたものです。今週は米10年国債の利回りが1.12%台まで急低下して200日線を割りこみました。さすがにリスクオフに行き過ぎ感が出ると思います。

 私は昨年12月のセミナーで「2021年の日経平均の高値の目安は3万100~3万300円」と発表しました。それを今年2月16日に達成して、その日がどんぴしゃりで最高値になり、以来5ヵ月経っても2月の高値を抜けません。このままだと私が予想した2021年の高値の目安を達成した日が見事に今年の最高値という事になりかねない状況です。

 明らかに内閣支持率の低下と株価が連動している形だとみることが出来ますが、国内でのワクチン接種は7000万回を超えて、ものすごいペースで伸びており、高齢者の患者も急速に減っていますから、ワクチンの効果は確実に表れています。いよいよ東京五輪も始まりますが、五輪を楽しみにしているという人が全体の7割に達する調査結果もあり、たとえ無観客でも始まれば日本選手の活躍で人々のムードも変わることが期待されます。前回も書いたように、五輪開幕を機に民心が落ち着きを取り戻す可能性があるので、ここはこらえどころでしょう。

 日経平均に比べて下げが小さかったTOPIXは、今週週足チャートで4週線と26週線がデッドクロスしてきました。これは昨年3月の大底以降で初めてです。東証2部指数やジャスダック平均は頑強に高値水準を保っています。ここは全体的な下げに対して逆行高の動きを見せている株に目を向けましょう。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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