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日本固有の問題が株価の重し2021.08.06

 米国株は上昇基調を保っており、今週もNY株式市場の実勢を示すSP500指数とナスダック指数が、終値としての過去最高値を更新しました。米国の金利上昇懸念や中国の株価暴落、コロナの感染拡大などをことごとく吸収して株高基調が続いています。また今週はコロナが猛威をふるっていたインドでも株価がなんと過去最高値を更新しました。

 こうなるとますます日本株の不甲斐なさが目立ちます。日経平均は2月高値、TOPIXも3月の高値をいまだに抜くことが出来ません。

 東京五輪で日本選手の金メダル獲得数はついに22個(5日時点)に達しました。1964年の前回東京五輪と2004年のアテネ五輪の時の16個を57年ぶりに大きく上回り過去最多記録となりました。金メダルの獲得数が多いと株価が上がるという説もありますが、前回東京五輪の時は開会式前日の日経平均終値と2ヵ月後の終値を比較すると1.2%下落。アテネ五輪の時も開会式前日の終値と2ヵ月後を比べると2.4%下げています。今回過去最多の22個獲得したからといって目先的に日経平均が上がるとみるわけにはいきません。実際今回も開会式前日の終値に比べて5日終値時点で日経平均はわずか0.6%しか上がっていません。

 日本株の最大の重しになっているのは、コロナ禍で感染者が急拡大しており、再び緊急事態宣言やまん防の拡大で経済に重しになっていることです。それは政治に対する不満、不信、批判の高まりにつながり、秋の総選挙に向けて政治の不安定さが懸念されることが大きなマイナス材料になっていると言えます。

 急激な感染者数の拡大で医療の専門家もいささか冷静さを失ってきており、都市のロックダウンを求める声が上がってきている状況で、政治がそれを上手くコントロール出来なければ、最終的に経済活動、市民生活に大きな影響を与えることになり、安心して日本株に投資できないわけです。したがって日本株全体のPERが低下しても買いが増えません。

 こうした事がまさに早見が1月からセミナーで指摘、予告してきた「日本固有のリスク」なのです。海外の株価がコロナの感染者が拡大しても最高値を更新しているのに、日本株はついていけないのは政治が弱いからに他なりません。

 ただ、現状で突出して異常に下げているのは日経平均です。日経平均は1月以来の安値に落ち込みましたが、TOPIXは7月の安値すら下回っていません。3月の最高値以降のボックスの中ですから、日本株の実勢としては崩れたと言えるわけではありません。なかなかスッキリしないので、引き続き注意は必要ですが、ここで踏み止まり秋相場につなげていくことが出来るかどうかです。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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