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自民党総裁選の顔ぶれ待ち2021.08.27

 米国株は前号で指摘したように、SP500指数は5月から毎月18~19日のところで急落して底打ちするパターンが続いていましたが、今月もやはり19日が最安値となって切り返し、SP500指数とナスダック指数はあっさりと過去最高値を更新しました。米株指数の上昇基調は変わりありません。

 日本は横浜市長選挙でやはり自民党系候補が敗北しました。この結果9月で任期満了となる自民党総裁選がいよいよ注目されます。菅首相は再選を狙うとしており、二階幹事長も支持を表明していますが、菅再選では国民が納得しないでしょう。

 既に高市早苗氏と岸田文雄氏が名乗りを上げた状況ですが、高市氏はアベノミクスをさらに発展させる大規模な財政出動を掲げており、株式市場にとっては政策面では一番好ましいものの、無派閥であり党内基盤が弱いのが大問題です。

 岸田氏は派閥的な観点では順当ですが、いかんせん決断力が無いのは有名であり、コロナのような非常時のトップにはふさわしくありません。しかも政策的には完全な緊縮・増税路線ですから、株式市場にとっては細かな政策テーマは別にして、大きな方向性としては天敵です。下村博文氏では小粒すぎます。安倍前首相が再々登板する動きは今のところありません。

 自民党が21~22日に実施した独自の情勢調査によると、今総選挙をやれば自民党は40~60議席も減らして単独過半数を大きく割り込むという衝撃的な結果になったと伝えられています。私も7月と8月の東京セミナーで青木率を使って、かなり議席を減らすことになると解説しましたが、2009年ほどではなくても、このままでは大敗は避けられないでしょう。

 総選挙に勝つという一点だけに絞るなら、国民に人気が高い河野太郎氏や安倍前首相の再々登板などがあれば大敗は避けられると思いますが、2氏とも現時点で名乗りを上げていないのでそれ以上は論じることが出来ません。今の日本に必要なのは「何かやってくれそうな、リーダーシップを発揮してくれそうな」フレッシュな期待を持たせる人物によるカンフル注射です。自民党総裁選の顔ぶれが固まってくるのを待ちましょう。

 いずれにしても、新政権がどうであれ、具体的な細かな政策テーマに沿った株が買われることになるでしょうから、国策に売り無しは変わりません。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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