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上昇トレンド変わらず2021.09.24

 前回は「そろそろ目先は調整局面入りか」と書いて、中国の不動産バブル崩壊の問題と絡めて注意しましたが、同時に「大きな上昇相場の中での短期的な調整場面である」との考えも示しておきました。

 日経平均は8月31日から9月15日までで、1988年2月の13日連続以来33年7ヵ月ぶりの12日連続陽線記録となり、TOPIXに続いて31年ぶりの高値になりました。またTOPIXの週足は先週で8月の安値から4本連続陽線で立ち上がりましたが、今回と同じく海外投資家の買いで株価が急上昇していった昨年11月相場も、10月末の安値からやはり4本連続陽線でスタートを切りました。

 逆張り指標では、東証1部の騰落レシオを見ると、先週14日に149まで上昇して今年最高となり、警戒ゾーンに入りました。当然目先的な警戒感が出るのは不思議ではないわけです。週足チャートで26週線とのカイリ率を見ると先週末時点で6.1%まで拡大しましたが、昨年6月初めのピークでは6.5%まで拡大して調整局面に入りました。

 このようにそろそろスピード調整の場面に入ってもおかしくはなかったわけです。そこにちょうどかねてから資金ショートが噂されていた中国の恒大集団のデフォルトによる金融不安が高まる問題が重なり、しかも今週は米国ではFOMCがあり、そのような時に日本はシルバーウイークで取引日が少ないので、動きづらいのは仕方ありません。案の定、今週は21日に早速日経平均は660円安と急落しました。中国株は香港の株価指数が昨年10月以来の安値に落ち込み、米国株もNYダウが20日の614ドル安で150日線を下回ってしまいました。しかし米株は23日に急上昇で直近の下げ幅の半値戻りになりました。

 日本株はバブル相場以来の大きな上昇相場のトレンドに入ったとみており、「ひと休み」と「終わり」は意味が違うということを前回も書きました。8月の安値から急激に上げてブレイクアウトした直後の調整安であり、チャート的にはいわゆる初押しの形ですから、9月中間決算の配当権利取りのことも併せて、下げれば買いチャンスを提供と見ておくべきです。相場の実勢を示すTOPIXを見れば弱気になる形ではありません。実際日本株も24日急反発で強さを見せました。強い上昇相場のトレンドです。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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