米株は9月相場で下げ波乱になりましたが、先週からぐんぐんと戻しており力強さが回復しました。NYダウは終値ベースでみると10月20日の終値で、8月16日の過去最高値にあとわずか16ドルに迫りましたが、ザラ場ベースでは2ヵ月ぶりに過去最高値を更新しました。米株の実勢を示すSP500指数も9月2日の過去最高値を更新しました。
SP500指数は9月の月足が過去最高値で陰線包み足になり天井打ちが警戒されましたが、このようにあっさりと10月相場で大きく戻して、NYダウと共に早くも新高値になりそうな気配ですから、昨年9月から11月にかけてと同じ強い形です。
日本株もTOPIXは200日線でピタリと下げ止まり、日経平均、マザーズ指数は、ジャスダック平均はいずれも安値から3本連続陽線の赤三兵の形で出直って、やはりTOPIXが200日線でピタリと下げ止まっていました。
日経平均は今年は2月と7月にそれぞれ3万700円台で高値をつけてダブル天井の形になっています。私は昨年末に今年の日経平均の高値の目安は3万100~3万300円と発表したので、3万700円台というのは多少行き過ぎて誤差の範囲で高値となったわけですが、一方でTOPIXや日経500は9月に完全な新高値となりダブル天井ではなく綺麗なブレイクアウトの形ですから、日本株の実勢は日経平均の弱さとは違います。したがってこれから年末にかけて日経平均は更に一段高になっていく可能性があります。
ただし、それには31日投票の総選挙で自民党がどのような結果を示すかが大きな問題です。その前哨戦として24日投票で参議院の静岡と山口の補欠選挙が行われます。ここで自民党が2勝出来るかまず注目されます。総選挙の序盤戦の情勢は、自民党が単独過半数の勢いとの報道が出てきましたが、まだ油断はできません。
中国の不動産バブル崩壊についてはもう十分に認識されており、今ここで突然噴き出た悪材料ではありません。したがって基本的には悪材料織り込みの形とみています。ここへきての米国の株価急上昇もそれを示唆していると思われます。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。