米株は今週もさらに一段高で、NYダウと米株の実勢を示すSP500指数そしてナスダック指数は過去最高値を更新しました。SP500指数は9月の月足が過去最高値で陰線つつみ足になり天井打ちが警戒されましたが、このようにあっさりと過去最高値を更新したので、9月の陰線包み足は否定されて、チャート的には上昇トレンドに変わりなしということが確認されました。昨年9月から11月にかけてと同じ形です。
前回も書いたように、日経平均は今年は2月と7月にそれぞれ3万700円台で高値をつけてダブル天井の形になっています。しかしTOPIXや日経500は9月に完全な新高値となりダブル天井ではなく綺麗なブレイクアウトの形ですから、日本株の実勢は日経平均の弱さとは違うと指摘しました。
今週はTOPIXの日足チャートでは10日線と25日線がゴールデンクロスしてきました。前回は9月1日の終値1,980でゴールデンクロスして、そこから9月14日の高値2,120まであっという間に上昇していきました。これは日経平均も同じですから、期待を持たせる形です。
しかし問題は31日投票の総選挙で自民党がどのような結果になるかです。その行方を占う参議院の補欠選挙は、心配されていた静岡県で自民党が敗北しました。最新の総選挙情勢調査では朝日新聞や共同通信から自民党が単独過半数確保、自公の与党合計で絶対安定多数確保との見通しが報じられました。しかし一方でフジテレビ系のFNNや日経、読売の調査では、自民党の単独過半数は微妙という正反対の調査結果が出ています。
自民党が現在の276議席から44減らして232議席に落ち込むと単独過半数割れとなりますが、公明党が現状維持の29議席取れれば、与党の合計で261ですから絶対安定多数を確保できますので、ただちに国会の運営が行き詰まるわけではありません。
しかし自民党が単独で過半数を割りこむと今まで以上に公明党の顔色を窺わなければならず、来年7月の参議院選挙を控えて、岸田政権では戦えないという空気が強まり、再び政治が不安定になることも十分に考えられます。
自民党が議席を減らすことは最初から分かっているので、単独過半数を下回らなければ株式市場では織り込み済みとなるかもしれませんが、とにかく選挙結果を待ちましょう。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。