米株は今週もさらに一段高で、NYダウ、SP500指数、ナスダック指数は揃って過去最高値を更新しました。昨年9月から11月にかけてとまったく同じ形で、短期的な調整完了からの新高値です。FOMCでは今月から毎月実施している資産購入額を月額150億ドルペースで縮小するテーパリング開始を決めましたが、これも織り込み済みの形です。
日本株は日経平均が今年2月と7月にそれぞれ3万700円台で高値をつけてダブル天井の形になっていましたが、TOPIXや日経500は9月に完全な新高値となりダブル天井ではなく綺麗なブレイクアウトの形ですから、日本株の実勢は日経平均の弱さとは違うと指摘しました。
今週は総選挙で自民党が予想外の大健闘で、小幅の議席減少にとどめて単独での絶対安定多数を確保したことから、週明け一気に大幅高になりました。選挙直前の情勢調査では自民党が単独過半数割れも心配される厳しさと伝えられていたので、結果を見てパニック的に買い戻しが殺到した状況でした。日経平均、TOPIX、日経500の日足チャートは、いずれも先週10日線と25日線がゴールデンクロスしていました。TOPIXを例にとると前回は9月1日の終値1,980でゴールデンクロスして、そこから9月14日の高値2,120まであっという間に上昇していきましたので、期待を持たせる形だと前回指摘したとおりです。
早見は総選挙については「自民党が議席を減らすのは分かり切っているので、単独過半数を下回らなければ株式市場では織り込み済みと考えてよい。自民党は逆に意外に健闘することもありえる。とにかく選挙結果を待とう。」と書いておきましたので、予想通り選挙結果は織り込み済み、あく抜けの形になりました。
これで目の前の霧が晴れたので、上手くいけば日経平均は3万700円台の強力な上値の壁を突破してブレイクアウトの形になっていくことが期待されます。今年の日本株は日本の政治が株価を上下に動かす最大の要因だと年初から言い続けてきましたが、その政治の不透明感が解消されたのは好材料です。
11月相場はそもそも株価が上がりやすい季節的な習性があります。TOPIX、SP500指数、ナスダック指数は2012年から昨年まで実に9年連続で上昇しています。年末にかけてどこまで行けるか楽しみに見ていましょう。
引き続き国策、政策に沿ったものを追いかけていくことに変わりありません。今回の推奨銘柄も国策に沿ってピックアップしました。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。