米株については、ナスダック指数の週足チャートが5本連続陽線で上げてきていましたが、調整完了から上げがスタートしての5本連続陽線というのは、2019年10月から11月にかけての7本連続陽線以来であり、前回はそこからさらに2020年2月の高値に向けてどんどん上げていったことをお伝えしました。その前2018年12月の底値から10本連続陽線で上げていった時も、その後さらに一段と上げていきました。
今週ナスダック指数とSP500指数は18日に終値として過去最高値更新となりました。
日本株も米株ほどの強さはありませんが、それでも今週は日経平均、TOPIX、マザーズ指数が今月上旬の戻り高値を抜いて、10月に底打ちして以降の右上がりN字型の日足チャートに変わりないことが確認されました。
11月相場は昨年までTOPIXは9年連続で値上がりしており、これは米株も同じです。11月は日米の株価は上がるという季節的な習性があり、実際米株は順調に値上がりしています。日本株もじれったいながらもじわじわと水準を切り上げてきました。マザーズ指数は17日にザラ場で1189まで上昇して、9月14日のザラ場戻り高値1194にあと5ポイントに近づいており、日本株の主要な株価指数の中では最も強い形になっています。
前回「TOPIXや日経500を見ると日経平均ほどには弱い形というわけではなく、ここで何とか踏みとどまれば年末年始相場への期待はつなげる」と書いたとおりで、特にマザーズ指数は強い戻りになってきています。
ただ、今週は政府・与党が岸田首相が掲げる所得再分配に向けて、金融所得課税の強化を本格的に議論することが報じられました。年末に決定する来年度の税制改正大綱で、重要テーマとして議論を継続する「検討事項」に明記する方向とのことです。岸田首相は自民党総裁選でこの方針を打ち出しましたが、反対意見が強くいったんひっこめました。しかしやはりどうしてもやりたいようです。当然株式市場からすれば反対意見が強いわけで、この問題が再びクローズアップされてきたことで、せっかくの株価の戻りにまた水を差すことにならないか注意が必要です。今年は株高の流れを政治が頭を抑える年だと年初に指摘しましたが、その構図は変わらないようです。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。