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銀行株の次は大手鉄鋼株に注目2022.01.14

 12月の東京セミナーで、「地方銀行株は宝の山だ」として銀行株に強気の話をしました。今年に入ってから予想通り銀行株がグングンと値上りしてきています。東証に上場している銀行株のETF(1615)の株価を見ると、セミナー直後の12月20日の寄り付き値151円80銭から、1月13日の高値169円まで11.3%値上がりして、昨年3月の最高値168円を追い抜きました。
 
 銀行株は元々非常に割安で、配当利回りも高く、3月期決算に向けて見直しムードが高まると考えていましたが、米国の金利が急上昇してきたので追い風が吹いています。早見が週刊レポート会員に持続して頂いているメガバンクの三菱UFJFG(8306)も推奨値の649円80銭から1月13日の高値714円40銭まで値上がりして、2018年10月以来の高値になっています。
 
 この銀行株に続いて早見が大いに注目しているのが大手鉄鋼株です。景気回復と自動車の生産増加で鉄鋼製品の需要が回復して、日本製鉄やJFEHDなどいずれも業績は急向上しています。日本製鉄とJFEHDの配当利回りは7~8%に達していますから海運株と同じ構図です。
 
 加えて注目されるのはEV用の電磁鋼板の需要急増問題です。電磁鋼板はEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)のモーターに使われるもので、エネルギーロスを少なくして、モーターの小型化や高出力化に寄与するものです。当然ながら世界的なEVの生産急増で需要が大きく伸びています。世界全体の電磁鋼板の市場規模は2020年の約3兆6千億円から2025年には約5兆2千億円に拡大すると予想されています。電磁鋼板の国内市場は日本製鉄とJFEHDの2社で8割以上を占めており、両社とも増産に踏み切っていきますが、しばらくは供給不足の状態が続くとみられています。
 
 鉄鋼株では12月のさくらインベストセミナーで脱炭素の観点で電炉の東京製鉄(5423)を買い推奨しましたが、これもセミナー直後の12月13日の寄り付き値1,382円から1月13日の高値1,523円まで値上がりして、2008年5月以来の高値になりました。高炉に比べて電炉は鉄を作る時の二酸化炭素排出量が最大で7割減らせるという事で世界的に電炉に対するニーズが高まっています。そこで国内の電炉最大手の東京製鉄に注目したわけですが狙い通りでした。
 
 次は大手鉄鋼株です。日本製鉄、JFEHD、神戸製鋼の3銘柄は今後の先高期待が大いに高まるとみられます。今週は週足チャートを見ると日本製鉄と神戸製鋼・JFEHDのMACDがゴールデンクロスしてきました。週足のMACDがゴールデンクロスするのは日本製鉄とJFEHDは昨年9月の高値以来初めて。神戸製鋼は昨年5月の高値以来初めてですから、いずれも大きな基調の変化を示しています。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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