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株価は戦争が終わる前に底打ちするもの2022.03.04

 早見は1月29日の東京セミナーで話をしておいたとおり、2014年2月にロシアがウクライナに侵攻してクリミア半島を制圧したクリミア危機の時に、当時NYダウは侵攻を前に2014年1月に下げる場面がありましたが、軍事侵攻が起きた2月に底打ちして急反発したことを前例とするように話しておきました。つまり戦争が始まれば織り込みの形になるという事でした。
 
 ロシアは日本時間で2月24日の昼休みにウクライナに対して攻撃を開始しました。それを受けて日経平均は2月24日にザラバで2万5775円の最安値をつけて反転。3月1日のザラバ高値2万7013円まで急反発しました。続いてその晩にNYダウもザラバで3万2272ドルの最安値をつけて反転。翌25日の高値3万4095ドルまで急反発しました。このように今のところは戦争開始で予想通り織り込み済みの形になっています。
 
 前回2014年の時も戦争を開始した2月が底値でしたが、2001年9月の米同時テロの時も、事件が発生した9月にNYダウは底打ちして、また上昇を開始しました。この時は全く想定外の突発的なテロ事件でしたから、事件後はいったん米株も下げていきましたが、結局その9月のうちに底打ちしてすぐに織り込んだわけです。
 
 NYダウとSP500指数、ナスダック指数の週足チャートを見ると、ウクライナで戦争が始まった先週の週足チャートは極めて長い下ヒゲを引いての陽線で、いわゆる「たぐり足」の底打ちを示唆する形になりました。特にナスダックが強く、ここで踏みとどまり下ヒゲを帳消しにするようなことが無ければ、改めてあく抜け感が広がることが期待されます。
 
 コロナ暴落真っただ中の2020年3月14日の東京セミナーで早見は、「この暴落は世界恐慌になるようなものではなく、1987年のブラックマンデーと同じで、短期間で終わる。あの太平洋戦争が始まった時もNYダウが大底を打ったのは終戦のはるか前であり、激戦の最中に株価は大底を打った。戦争が終わるのを待っていたのでは遅い」という話をしましたが、実際に世界の株価は2020年3月に大底を打って、大きな上昇相場に転じました。これが「相場は相場に聞け」ということです。
 
 ただ早見は3日(木)朝のラジオ番組で、「ロシアが核兵器を使ったり、ウクライナの原発で大事故が起こらない限り大丈夫だ」と話しておきました。4日(金)にロシア軍がウクライナの原発を攻撃したことで、この点に不安が広がり、4日の東京市場は株価が急落して下げ波乱になったので、この点は要注意です。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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