米株が底割れ2022.05.06

 今年はただ事では済まない、歴史に残る大きな事が起きる五黄土星と言う話を昨年末からしてきましたが、2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻で金融、株式、商品相場にも歴史的な影響を及ぼしています。特に商品相場の上昇はすさまじく、小麦をはじめとして穀物や資源、木材などに至るまで広く値上がりして、世界的なインフレにつながっています。それが各国の利上げにも結び付き、米FRBは22年ぶりとなる0.5%の利上げに踏み切りました。米国の利上げ方向を受けて3月からは円安がどんどん進行して、ついにドル円が131円台までつけて2002年4月以来20年ぶりの円安水準になりました。
 
 このように1月以降災害、戦争、経済など次々に歴史に残る大きな動きを見せており、まさに激動の年が進んでいます。ウクライナの戦争は、5月9日のロシア戦勝記念日に果たしてウクライナに対して宣戦布告に踏み切るかが大きな焦点です。軍事侵攻が宣戦布告に格上げとなれば新たな局面を迎えます。
 
 日本は前号でも書いたように7月の参議院選挙に向けて岸田政権や与党から次々に選挙用の好材料を打ち上げることが本格化してきました。GW中に岸田首相は「岸田に投資を」と呼びかけて、資産所得倍増計画を打ち出しました。安倍政権の真似をして低迷している株価を持ち上げようという意図が見えますが、その実現性には疑問符がつくにせよ、このように参議院選挙に向けて景気の良い話を持ち出してくるのは当然です。したがって私は国策に沿って前々号の週刊レポートでは原発や防衛に関連する代表株として三菱重工(7011)を買い推奨して、順調に値上がりしており、このところの下げ波乱相場でも逆に新高値になりました。
 
 一方米株は直近ではナスダック指数が2月と3月のダブル底の安値を下回り、底割れになってしまいました。SP500指数も2月の安値を割り込みました。FRBが利上げ幅を0.75ではなく0.5%にとどめて実施したので、5月4日は米株が急反発して、SP500指数はプラス125、上昇率は利上げが実施された当日としては実に約44年ぶりの大幅高という、これまた歴史に残る大きな動きとなりました。ところがなんとその翌日にはSP500指数は一転してマイナス153、下落率3.5%と急落。前日の上げ幅以上の大きな下げとなってしまいました。ナスダック指数も4日の上げ幅を帳消しにして、また安値更新の底割れとなりました。
 
 米株はナスダック指数とSP500指数はチャート的には底割れになっているわけで、利上げ当日の急反発はいわゆる「デッド・キャット・バウンズ」(死んだ猫でも上から落とせば跳ね返る)であったと思われます。歴史的なことが起きる五黄土星の次の焦点は米株という事になりそうで、油断も楽観も出来ません。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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