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米株全力投資派は覚悟が問われる2022.05.13

 前回は「米株指数は底割れで崩壊してきた」ということを指摘しました。ウクライナの戦争は、5月9日のロシア戦勝記念日に果たしてウクライナに対して宣戦布告に踏み切るかが大きな焦点でしたが、プーチン大統領はウクライナに対する戦争宣言は行わず、この点はひと安心でした。
 
 しかし米株はナスダック指数が2月と3月のダブル底の安値を下回り、底割れになったのに続いてSP500指数とNYダウも2月の安値を割り込みました。歴史的なことが起きる五黄土星の次の焦点は米株という事になりそうで、油断も楽観も出来ないと前号で指摘しました。
 
 米株の中でも一番崩れが酷いのはナスダック指数ですが、月足チャートを見ると、今週の一段安でついに36ヵ月線を下回ってきました。これは2020年3月のコロナ暴落の時以来です。リーマンショックの大底以降ここまで振り返ってみると、ナスダック指数は大きな調整局面では2010年、2011年、2016年、2018年、そして2020年といずれも36ヵ月線のところまで下げて毎回底打ちというパターンが繰り返されてきました。2020年だけはコロナ暴落で1987年のブラックマンデーの時以来という短期間で一気に暴落するパターンだったので、2020年3月に一時的に36ヵ月線を大きく下回りましたが、それでも3月末の終値では36ヵ月線を上回っていたので、結局は36ヵ月線を意識した底打ちに変わりありませんでした。
 
 したがって今回も36ヵ月線を下回ってきたので、ここからが本当に重要な局面です。2010年~2018年のように36ヵ月線で下げ止まるのか、それとも2020年のように行きすぎた下げ過ぎの形を作るのか、大いに注目されます。
 
 ちなみに今回は昨年11月の最高値から今週11日の安値までで30%下げています。これは2010年の18.7%、2011年の20.5%、2016年の18.7%、2018年の23.9%を上回り、2020年の時の32.6%以来の30%台の下落率という大きな下げです。したがって行き過ぎのさらなる下げを警戒する必要があります。
 
 ちなみにナスダック指数の月足の一目均衡表を見ると、このままだと今年後半には遅行線と月末線がデッドクロスする可能性が大きくなっています。このデッドクロスが実現するとリーマンショックの大底以降で初めてとなります。つまりレバナスと言われるような米株にレバレッジをかけて全力投資してきた投資家の人々のやり方が本当に正しいのか、こうした米株全力投資のやり方をしてきた投資家は、続けるか退くかの覚悟が問われます。五黄土星の今年は何が起きるか分かりませんから、この際しっかりと再点検すべきでしょう。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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