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引き続きレバナス派には試練の相場2022.05.20

 前号ではナスダック指数の月足チャートで36ヵ月線を割り込んできたことについて詳しく解説しましたが、これは2020年3月のコロナ暴落の時以来です。リーマンショックの大底以降ここまで振り返ってみると、ナスダック指数は大きな調整局面では2010年、2011年、2016年、2018年、そして2020年といずれも36ヵ月線のところまで下げて毎回底打ちというパターンが繰り返されてきました。2020年だけはコロナ暴落で1987年のブラックマンデーの時以来という短期間で一気に暴落するパターンだったので、2020年3月に一時的に36ヵ月線を大きく下回りましたが、それでも3月末の終値では36ヵ月線を上回っていたので、結局は36ヵ月線を意識した底打ちに変わりありませんでした。
 
 したがって今回も36ヵ月線を下回ってきたので、前号では「2010年~2018年のように36ヵ月線で下げ止まるのか、それとも2020年のように行きすぎた下げ過ぎの形を作るのか、大いに注目される。」と書いておきました。
 
 今回は昨年11月の最高値から5月12日の安値までで31.5%下げました。これは2010年の18.7%、2011年の20.5%、2016年の18.7%、2018年の23.9%を上回り、2020年の時の32.6%の下落率にほぼ並ぶようなところまで来たわけです。これでいったん値ごろ感が出て、12日のザラバ安値1万1108から17日には1万1988まで一気に戻しました。しかし18日にはNYダウが1164ドル安という1年11ヵ月ぶりの大幅安で、今年の最安値を更新してしまいました。ナスダック指数もマイナス566という大幅安で再び崩れて、直近の反発分を大部分帳消しにしました。
 
 ナスダック指数の月足チャートでは、19日の終値時点で引き続き36ヵ月線を下回っています。まだ今月最終的に確定したわけではありませんが、ひとつだけ言えるのは、やはり思った通り36ヵ月線は極めて重要なラインだということです。
 
 2020年3月のコロナ暴落の時と同じ大きな下げとなっているので、あの時と同じとすればナスダック指数は12日のザラバ最安値1万1108ポイントからさらに1万300台まで下げてもおかしくないとみてきました。(19日終値1万1388)その上でひとまず反発局面に入ったとみたわけですが、また予想以上に早く大きく売り崩されたので不穏な状況です。
 
 そもそも前号で指摘したように、ナスダック指数の月足の一目均衡表を見ると、このままだと今年後半には遅行線と月末線がデッドクロスする可能性があり、大きなとらえ方では昨年11月の史上最高値が大天井だったと考えてもおかしくないということが前提にあります。引き続き油断の出来ない波乱相場と言えます。レバナスと言われるようなレバレッジをかけて米株を買い込んでいる投資家にとっては、胃が痛い日々が続くでしょう。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・修正したものになります。

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