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ナスダック指数が金利上昇織り込み済みを告げた2022.07.29

 先週は米株が急上昇しましたが、特にナスダック指数の戻りが強く、7月21日に終値で75日線を突破しました。これは4月4日以来でした。米株の主要な3つの株価指数のうちナスダック指数が先頭を切って75日線を突破しました。

 
 今年前半は特にナスダック指数の崩れが際立っていました。これは金利の上昇懸念が高まったからで、グロース株が直撃を受けて特に大きく下げました。ところが6月の底打ち以降今度はナスダック指数がいち早く75日線を突破してきたのは、逆に金利の上昇圧力が弱まることを株式市場が織り込み始めたのではないかとみていることを先週からラジオ番組や有料情報、セミナーなどでもお伝えしてきました。

  実際NYの原油相場は終値ベースで3月に125ドル台で最高値をつけて、今月は94ドル台まで下げてきました。その他の商品市況も最高値から大きく下げています。原材料価格の下げが最終製品の価格下落につながるのはタイムラグがありますが、それでもこうした状況はインフレのピークアウトを感じさせるものです。まだ米国の利上げは続くにしても、強引にインフレを抑え込むやり方は弱まると思われます。

 
 27日のFOMCでは市場の予想通り0.75%の大幅利上げが決まりましたが、FRBのパウエル議長は会見で今後の利上げペース鈍化の方向を示唆したので、思った通りの方向です。ナスダック指数の強さはやはりそれを先取りしていたと言えます。
 
 FOMCの結果を受けて27日のナスダック指数は2020年4月以来の大幅高になりました。2020年4月というのはコロナ暴落で3月に最安値を付けた直後であり、大幅高でコロナを織り込んだことを告げたわけです。今回は金利の上昇を織り込んだことを告げるものと言えます。
 
 日本株についても日経平均とTOPIXは米株よりも早く直近で200日線を突破して、日足チャートはブレイクアウトの形になりました。月足チャートを見ても、日経平均とTOPIXは昨年9月の最高値とその後の戻り高値を結んだ右下がりの上値抵抗ラインを突破して、2019年後半の相場と同じ形になってきています。2019年の相場は8月に最安値をつけて9月から上昇相場がスタート。10月に4月の高値を抜いて完全にブレイクアウトして、12月まで上昇していきました。その2019年後半と同じコースを想定しています。
 
 FOMCを通過して米株も急上昇しましたが、米株が落ち着いて上に向かう気配を強めれば、日本株にとってはさらに追い風です。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。

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