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米株はリーマンショックの時以来の悪い形の下げ2022.09.09

 前回「最も警戒すべき秋相場に入った」とタイトルをつけました。終値ベースではNYダウは8月16日の高値から9月6日までで合計3,007ドルも下げてしまいました。ナスダック指数も終値ベースでは8月15日の高値から9月6日までで合計1,584ポイントも下げています。下落率でみればNYダウは8月の高値から8.8%の値下り。ナスダック指数は12.1%の値下りとなりました。

 この結果特にナスダック指数の月足チャートでは今月6ヵ月線と36ヵ月線がデッドクロスしてしまいました。これは遡るとリーマンショックの大底であった2009年3月以降で初めてのデッドクロスとなりました。2009年の大底から13年ぶりのデッドクロスですが、言い換えればこの下げは2020年のコロナ暴落の時よりも深刻な形であることを示しているものと言えます。またナスダック指数は6月の安値の時に月末終値で36ヵ月線を下回りましたが、これも2010年以来12年ぶりです。つまり実質的にリーマンショックの時以来の大きな悪い下げです。
 
 もちろんこうした米株の崩れは、FRBがどんなに景気が悪くなろうと株価が下がろうと、とにかくインフレを押さえ込むために金利の引き上げを続けていくという強い意志を示したことが背景にあります。株価が下げることを容認したわけですから、安心して株を売ることが出来るわけです。したがって現状では一時的に株価が反発することはあっても、戻り売りという大きな形に変わりありません。
 
 ナスダック指数は昨年11月の史上最高値から6月の安値までザラ場ベースで34.8%下げました。コロナ暴落の時は2020年2月の高値から3月の安値まで32.6%下げ。リーマンショックの時は2007年の高値から2009年の安値まで55.8%も下げて大底を打ちました。そうすると今回ナスダック指数がリーマンショックの大底以来初めての大きなデッドクロスになっていることからすると、戻りの場面があっても、まだまだ今後大きく下げる可能性は十分にあると言えます。
 
 株式市場は9月から11月にかけての秋相場が最も警戒すべき季節なので、その点は忘れないようにしようと前回も呼びかけました。来週は13日に米CPI(消費者物価指数)の発表があります。今月のFOMCでも0.75%の利上げが想定されますが、来週のCPIでインフレ鈍化が一段とハッキリする数字であれば、ひとまず利上げを織り込み、急激な円安にもストップがかかり、株価の反転も期待できるかもしれませんが、逆の発表内容になる可能性もあり、こればかりは発表内容と市場の反応を見なければ分かりません。
 

※このコラムは今週水曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。

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