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インフレピークアウトで米株に大変化2022.11.18

 このところは特に米株の中でもNYダウの強さが飛びぬけていることを指摘してきました。NYダウは10月相場で劇的に強い形に変わり底打ちしたわけですが、続いて今度は11月10日の米CPI(消費者物価指数)と15日の米PPI(生産者物価指数)が共に市場予想を大きく下回る弱い数字で、インフレがピークアウトしたことを告げるものであったことから、ナスダック指数が急上昇しました。

 
 CPIとPPIの結果を見れば、もはや米国のインフレはピークを過ぎたことはハッキリしています。したがってFRBによる金利の引き上げはまだ続きますが、利上げの幅は次回12月のFOMCでの0.75%を最後に、年明けからは利上げ幅が縮小される可能性が極めて大きくなりました。株価は実体経済に半年先行して変化していくと昔から言われますが、ドル円も10月に円安がピークアウトしましたので、半年後の来年春には今と全く違う景色になっているでしょう。

 さらにこのところは米企業の人員削減ラッシュになっています。特に注目すべきは、アマゾンが1万人もの削減を打ち出したことです。この時期にアマゾンが大規模な人員削減を行うという事は、今年のクリスマス商戦に対して期待が持てないからに他なりません。ということはこれまた米国の景気悪化を示すものであり、金利上昇圧力を和らげるものと言えます。
 
 日本株は元々米株と違い崩れていたわけではありません。日経平均とTOPIXは3月につけた今年の最安値を割り込まずに踏み止まっていました。そして直近では特にマザーズ指数が非常に強い動きを見せています。8月と9月に作られていた760ポイント台の上値の壁を突破してブレイクアウトになり、今週は790ポイント台まで上昇して7ヵ月ぶりの高値です。日経平均やTOPIXは8月の戻り高値を抜いていないので、マザーズ指数の強さが歴然としています。月足チャートで今月は今年初めて12ヵ月線を突破してきましたが、大きな底打ちの後上げてきて12ヵ月線を突破したのは、前回はコロナ暴落が大底を打った後の2020年5月でした。そこから2020年10月の高値まで大きく上昇していきました。
 
 ドル円も10月に円安が天井打ちしましたが、10月は円安天井、株価底打ちという大きな転換点になったわけです。年末年始にかけては一年で一番株価が上がりやすい季節ですから、ここは引き続き強い流れには素直に乗るのが基本です。

 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋・一部修正したものになります。

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