失敗は成功の母2022.12.30

 前号では「日銀の奇襲攻撃で景色が変わった」と書きました。先週は日銀が事実上の利上げに踏み切るという奇襲攻撃を行ったため、10月の大規模な円買い介入に続いてトドメの一撃となりました。このため銀行株や保険株など金融セクターの株価が逆に値上がりを強めていき、東証銀行株指数は今週も続伸で2018年2月以来4年10ヵ月ぶりの高値になり、保険株指数も2007年6月以来15年半ぶりの高値になっています。

 早見は既に週刊レポートでは大手銀行の三菱UFJFG(8306)を買い推奨しておきましたが、推奨時点の752円台から今週は911円台まで21%値上がりして新高値になり、文句なしのヒットになっています。前号の当コーナーでも三菱UFJFG(8306)については、2016年の時と同じ強い形が出現したことを指摘して、更なる株価の一段高の方向が期待されると書いておきましたから予想通りです。
 
 今年は歴史に残る大変な事が起きる五黄土星にふさわしく、ウクライナ戦争、世界的な金利の上昇と猛烈なインフレ、安倍元首相暗殺、日本の国防政策の歴史的な大転換などが起きました。今年起きた大きな変化は当然来年に向けての流れに繋がっていきます。
 
 さて、ちょうど1年前の今頃は、猫も杓子も米株を買うムード一色でしたが、それが見事に米株が史上最高値での天井打ちの場面となり、続いて今年は10月に猫も杓子もドルなど外貨を買わなければというムード一色になったところが円安の天井打ちとなりました。これが相場というものです。SNSやTV、雑誌などで煽られて飛びついていくことがいかに危険か、この年の瀬に身に染みて後悔している人も多いでしょう。
 
 こうしたことはこれからも起きます。したがって過ちから学ばなければ何度でも同じ失敗をすることになるでしょう。投資というのは知識を増やすことは大切ですが、では知識さえ増やせば勝てるかというとそうは問屋が卸しません。知識を増やすことで逆に理屈にとらわれてしまい、相場の変化についていけず買いそびれたり売り損なってしまう大失敗につながるのは、古今東西繰り返されており、これからも未来永劫変わりません。
 
 「相場は相場に聞く」という言葉の重みをしっかりと理解して、自分の考えや理屈と逆の動きになってきたら、相場に逆らわずについていくという事を肝に銘じて来年も投資に取組みましょう。
 
 今年も一年間ご愛顧いただきありがとうございました。どなた様も良いお年をお迎えください。
 
次回の更新は、2023年1月13日(金)午後となります。

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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