トップページ > 株式投資コラム > 相場観 > 上海総合指数が強い変化

上海総合指数が強い変化2023.03.03

 米株以上に強いのが欧州株だと指摘してきましたが、直近では下げてきているものの既にイギリスの株価指数は2018年5月の高値を4年9ヵ月ぶりに抜いて2月16日に過去最高値をつけたばかりです。続いてフランスの株価指数も過去最高値を更新。ドイツの株価指数も2月9日にザラ場で昨年2月以来1年ぶりの高値になり、2021年11月のザラ場での過去最高値1万6290から昨年9月の安値1万1862までの下げ幅の85%を戻したので、ドイツの株価も過去最高値を更新しに行くとみられると前回書きました。欧州の株価は過去最高値のレベルにあるわけで、米株とは株価の位置がまったく違います。

 アジア市場でも今週は中国の上海総合指数が急上昇して、3月2日に3,320まで上昇して1月30日のザラ場高値3,310を抜いて、昨年7月12日以来の高値になりました。上海総合指数は日足チャートを見ると昨年7月以降3,295~3,310のところで何度もザラ場高値をつけて強力な上値抵抗ラインが作られていました。この壁をついに突破してきたわけです。
 
 しかも上海総合指数の月足チャートを見ると、2月末で3ヵ月線と12ヵ月線がゴールデンクロスしました。前回は2020年7月末に3,310でゴールデンクロスして、そこから21年2月の高値3,731まで更に12.7%値上がりしていきました。続いて今月は月足チャートのMACDがゴールデンクロスしてきました。これもゴールデンクロスが確定すると前回2020年6月末以来となります。さらに週足チャートの一目均衡表では雲の上に抜け出してきていますが、今週週末終値で雲の上に抜け出して終わると一昨年12月の高値以降で初めてとなるので、大きな変化を感じさせます。
 
 今週発表された2月の中国製造業PMIは約10年ぶりの高水準になり、中国の景気回復への期待が急速に高まりました。欧州の株価が過去最高値を更新してきたのに加えて、中国の株価もブレイクアウトの形になってきたことからすると、色々懸念材料はあるものの、世界的に株価は上に行きたがっていることを示唆していると感じています。
 
 米株は金利の先高懸念が再び強まり調整色を強めてきました。ナスダック指数はまた200日線を割り込み、SP500指数も昨年10月の最安値とその後の安値を結んだ右上がりの下値サポートラインを割り込んできました。ここは3月10日の雇用統計と14日の消費者物価指数という2つの米経済指標が波乱の種であり、それを受けて22日のFOMCでの利上げ幅決定へと続きます。これらを無事にクリアできるかどうかです。上に行きたがっている株価が、米国のせいで頭を叩かれて打ち砕かれるか、それとも跳ね返して自信を取り戻せるか、このところ米株の下げにも打たれ強さを見せている日本株も重要な場面を迎えます。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

セミナーのお知らせ
セミナーの様子
☓ バナーを閉じる

有料情報「早見雄二郎の特ダネ株式ニュース」 お電話または、インターネットで早見独自の株式投資情報が手に入る有料サービス

電話有料情報(情報料300円)インターネット有料情報(情報料300円)はこちら