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2020年に帰って考える相場2023.03.10

 今週は米株がパウエルFRB議長の議会証言で、今月のFOMCで再び利上げ幅が0.25%から0.5%に拡大される可能性が大きくなったとして急落しました。このところ米株は急上昇していただけに、ちょうど上げたところで調整安の口実を与える形になりました。 
 
 日本株は米株に対して打たれ強くなっていることを指摘してきましたが、日本株だけでなく欧州株も米株に比べて圧倒的に強く、米株だけを気にしていると、日本株の強い動きにまったく乗れないことになるわけです。

 実際、日経平均はザラ場ベースでは昨年11月以来の高値ですが、終値ベースでは昨年9月以来の高値になりました。TOPIXは一昨年11月以来の高値になっており、東証小型株指数は一昨年9月以来の高値です。TOPIXバリュー株指数は2018年の高値すら5年ぶりに抜きました。このように日本株は日経平均以上に強い動きがハッキリしています。
 
 私は2020年に帰って相場を見る必要があると言い続けてきました。2020年は3月にコロナ暴落の大底を打ち、値上がりに転じましたが、多くの投資家や市場関係者は「どうせまた下がる、二番底が来る」と心配して弱気を抜け出すことが出来ませんでした。しかし当時私は20年4月のさくらインベストセミナーで「二番底を心配するよりも、いかに買うかを考えるべきだ」と明言し、5月に「もう大丈夫」と判断して、完全強気の投資作戦に切り替えました。そこから日経平均も値上りに弾みがついていきました。今年はあの2020年と同じで、「疑いの中で相場は育つ」と見る局面だと考えています。
 
 その意味で今月はTOPIXの月足チャートでMACDがゴールデンクロスしてきたのは大いに注目すべき変化です。これは前回2020年9月にゴールデンクロスして以来であり、まさに2020年に帰って相場を考えるべきだという考えを裏付けています。
 
 今週は10日の雇用統計、来週は14日の消費者物価指数という2つの米経済指標が波乱の種であり、それを受けて22日のFOMCでの利上げ幅決定へと続きます。短期的には前回も書いたようにこれらを無事にクリアできるかどうかです。上に行きたがっている株価が、米国のせいで頭を叩かれて打ち砕かれるか、それともやはり跳ね返して打たれ強さを再確認するか、日本株も重要な場面を迎えます。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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