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ナスダックの強さに注目2023.03.25

 日経平均は3月9日のザラ場高値2万8734円が今年の最高値で、突然噴出した米銀行の経営破綻で一気に金融不安が拡がり、3月10日から急落を始めて16日の安値までザラ場ベースで高値から一気に2102円の急落となってしまいました。
 
 私は3月11日に横浜で行った講演で、「今月のFOMCで利上げ幅は0.25%に据え置きとなるだろう。」という見方をお話ししました。その予想通り22日のFOMCで0.25%の利上げ幅据え置きで決まりました。急落初日の段階でいち早く0.25%利上げ据え置きとはっきり予想したのでズバリでした。

 あっと言う間に2つの米銀が破綻しましたが、その後経営不安が高まったクレディスイスは、UBSが買収して、スイス中銀からも資金支援がなされることになりました。日米欧6ヵ国の中銀がドル資金の供給を増やす協調行動をとることも発表されるなど、世界的な金融不安の拡大を食い止めるべく矢継ぎ早に対策が打ち出されて、市場には安心感が取り戻される状況になりましたが、FOMC後の会見でパウエル議長が、年内の利下げは否定したこともあって、その後米株は急反落してしまいました。
 
 とはいえ米株の主要な株価指数の中で、ナスダック指数の強い回復が目立っていました。ナスダック指数の日足チャートは、23日まで6日連続で25日線を上回っており、17日にはMACDもゴールデンクロスしました。どちらも2月2日に今年の最高値をつけて以降で初めてです。終値ベースでは2月2日の最高値から3月10日の安値までの下げ幅の約7割を戻しました。月足チャートではこのままだと月末終値で12ヵ月線を上回って終わる可能性が大きくなっています。もしそうなると、一昨11月に史上最高値をつけて以降で初めてとなります。このようにナスダック指数はチャート的に非常に大きな変化が出てきています。
 
 逆に前回指摘したように東証銀行株指数の月足チャートは、今月は8年ぶりに最高値で陰線包み足になり、天井打ちを示しました。ナスダック指数の強さと銀行株の弱さはまさに当然の綺麗な逆相関です。
 
 引き続き「春の嵐」の中で、「疑いの中で相場は育つ」というパターンが続くのではないかとみています。外部環境に左右されにくい国内系の株に特に目を向けましょう。
 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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