毎週木曜日にラジオNIKKEIで放送してきた「早見雄二郎のズバリ投資作戦」は、3月30日の放送で終了し、20年の歴史にピリオドを打ちました。2003年1月に放送開始して以来20年の長きにわたり自社スポンサーの番組として続けられたのは、多くのリスナーの方々の応援により高い聴取率を保ってきたからです。改めて長年のご愛聴に感謝申し上げます。
2003年以降だけでも何度か大きな株価の変動がありました。小泉ミニバブル郵政改革相場、リーマンショックの大暴落、アベノミクス相場、コロナ暴落など大きな上下の変動を経験しています。
一番最近の例で言えば、2020年2月から3月にかけてのコロナ暴落の時、多くの市場関係者や投資家は、このまま世界恐慌になるのではないかという恐怖に包まれ、総悲観になりました。しかし早見は暴落の真っ最中の2020年3月の東京セミナーで、「この暴落は1987年のブラックマンデーと同じで短期間で終息する」と明言して、実際その3月が見事に大底になりました。
これはひとつの実例ですが、要するに相場というのは大きな転換点では多数意見は必ず外れるのです。あの2020年3月の時も多くの人がもっともらしい理屈やデータを基に世界恐慌になる、二番底の暴落が来るとみていたわけです。それなのになぜ外れたのか。つまり相場というのは転換点においては特にファンダメンタルズ的な理屈を超越して変化するからで、だから多数意見は必ず外れるのです。
今回も突然の米銀の破綻から始まり、リーマンショックの再現になるのではないかという意見が広がっています。しかし株価は崩れていません。それどころか逆イールドが、景気後退がと色々言われて昨年10月に米株は最安値をつけました。あれから4月で半年になりますが、米株は10月の安値を割り込む気配はありません。このように昨年10月以降基本的に弱気派は見込み違いになっているのです。なぜなのかを考える必要があるでしょう。早見は中学生で会社四季報を読み始めて50年以上、一貫して「相場は相場に聞く」という考えにしたがって相場を見ています。だからこそ2020年3月のコロナ暴落でも多数意見とは逆のとらえ方をして、相場の変化をキャッチしました。
今の米銀の破綻から始まった株価の下げ波乱は、リーマンショックの再現というようなものではなく、春の嵐の突風という一時的なものと考えています。
20年間のラジオ番組でも大事なことはお伝えしてきましたが、これからは引き続きセミナーの場などでお伝えしていくので、どうぞお役立てください。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。