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アベノミクス相場スタートの時以来の大きなうねり2023.09.08

 先々週末の当コーナーのタイトルは「強い変化が出てきた」として、ジャクソンホール会合に向けての調整安から、再び上昇に向かう気配を指摘しました。続いて先週末の当コーナーのタイトルは「弱気派が飛んで火に入る夏の虫」でした。調整完了から再び株価の上昇本格化を指摘したわけです。その読み通り日米の株価は上げてきており、日本株は日経平均に先駆けてTOPIXがバブル崩壊後の最高値を更新して33年ぶりの高値になりました。
 8月18日の有料情報や翌19日の東京セミナーで、東証グロース市場やナスダック指数の逆張り指標であるRCIを使って、逆張りでとらえる場面に来たと明言して解説しましたが、まさにドンピシャリで、日経平均やTOPIXも含めて逆張り指標で解説した場面が見事に株価の底打ちでした。
 
 日経平均は今週3万3200円台に上昇してきましたが、6月につけた今年の最高値3万3772円には届いていません。しかし既にTOPIXが33年ぶりの高値になっていますから、日経平均が出遅れていることはどうでもいいのです。
 
 TOPIXの月足チャートは、1月の安値から今月で9本連続陽線です。これだけ安値から陽線を積み重ねたのは、2012年8月から13年4月までの9本連続陽線以来。つまりアベノミクス相場のスタートの時以来です。前回は13年5月に高値を付けて、やっと大きな調整安になりましたが、それでアベノミクス相場が終わったわけではありませんでした。またTOPIXはこのままだと9ヵ月連続上昇となります。もしそうなれば2005年5月から06年1月までの9ヵ月連続以来の記録になります。この時も06年4月にやっと高値をつけて大きな調整に入りましたが、最終的な大天井は07年2月でした。
 
 とはいえ注意すべき変化も出てきました。今週はサウジアラビアが原油の減産を12月末まで延長すると発表したことから、金利と物価に再び不安が出てきました。また6日の欧州株式市場では高級ブランド株が総崩れになり、1日だけで時価総額が3兆6900億円吹き飛びました。これはインフレが進み、欧州全般でブランド品の需要が落ち始めたことによるものです。米GDPの7割を占める個人消費についても、新型コロナで積み上がった過剰貯蓄は9月で底を尽くとみられ、クレジットカードの債務残高は過去最高で、30日以上支払いが遅れた場合の延滞率も約11年ぶりの高水準になるなど、注意すべき問題点がクローズアップされてきています。インフレに耐え切れなくなってきた変化が出てきている事が、一時的にせよ市場に悪影響を及ぼす可能性があるので、利食いもしっかりと行なっていただいています。

 

 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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