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逆張り指標を冷静に見る2023.10.06

 前号の当コーナーで「米株下落への抵抗力を試す秋相場」というタイトルにしました。9月のFOMCで株式市場が期待していた米経済のソフトランディングという道筋が否定されて、それ以降米金利はどんどん上昇していき、逆に米株は崩れてしまったわけです。

 
 前回も書いたように米株の実勢を示すSP500指数とナスダック指数が、共に月足チャートで8月の下ヒゲを帳消しにして底割れとなりました。したがって目先的な反発はあっても戻り売りの形だと指摘しましたが、案の定今週に入ってからも米株は更に一段と下げてきました。
 
 米金利が非常に問題のある水準まで上昇しており、加えて米政府機関閉鎖問題も、つなぎ予算が可決されたことからひとまず危機を回避しましたが、あくまでもつなぎであり、その期限が切れる11月17日に向けて再び問題がクローズアップされることは十分に考えられます。そこに米連邦議会の下院議長が解任されるという米政治史上で初めての異常事態になりました。
 
 こうした状況の中で、米株下落への抵抗力が試された日本株も、抵抗しきれずに今週は急落してきました。マザーズ指数は1年ぶりの安値に落ち込み、日経平均も4ヵ月ぶりに3万1000円を割り込みました。
 
 そこで日経平均の逆張り指標を見ると、10月4日の終値時点でRCIはマイナス97.8まで低下して、昨年9月の底打ちの時以来の水準に下げました。25日線とのカイリ率もマイナス6.1%に拡大して、昨年3月の底打ちの時以来の数値になっています。RSIは25.7まで低下して、これも1月初め以来の水準に下がりました。したがって逆張り指標からみれば下げ過ぎ感が強まっている状況になってきたことを4日の午前10時の早見の有料情報から解説し始めていました。
 
 もちろん逆張り指標を絶対視するわけにはいきませんが、相場の常として総弱気の中で株価は底打ちするので、相場の転換点を探る時は理屈や多数意見よりも逆張り指標を冷静に見ることが必要になるのです。
 
 実際8月株価が急落してきたときも、早見は8月19日の東京セミナーで日米の株価指数の逆張り指標を解説して買い場に来ているという見方をお伝えしましたが、SP500指数とナスダック指数、日経平均は前日の8月18日が底打ち、TOPIX、マザーズ指数、東証グロース指数は17日が底打ちで、逆張り指標を使っての見方がドンピシャリで的中して9月の高値に向けて反転上昇していきました。
 
 10月相場は2008年のリーマンショック大暴落や、1987年のブラックマンデーの大暴落が起きており、歴史に残る下げ波乱が起きやすい時期ですから、米株の地合いが悪いことからすれば要注意であることは言うまでもありませんが、秋の下げ波乱が年末年始に向けての買い場になるのも重要な季節性ですから、柔軟に見ていきましょう。

 

 

※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。

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