株価暴落が起きやすい10月は油断禁物ということで警戒していましたが、10月21日の東京セミナーでも注意を促しました。
案の定その後米株の実勢を示すSP500指数やナスダック指数は、10月初めの安値を下回り底割れとなり、ナスダック指数は10月25日に今年最大の下げ幅を記録しました。小型株の指標であるラッセル指数に至っては2020年11月以来の安値に落ち込みました。
日本株も10月相場では日経平均の下げ幅が月間で今年最大となりました。しかも月足チャートは7月から10月まで4カ月連続の値下がりで、かつ4ヵ月連続の陰線となってしまいました。確かに日米ともに鬼門の10月相場らしい弱さを見せたわけです。
しかし、その一番危うい10月相場で、このように一段安の下げ波乱はあったものの、暴落と言えるような崩れは回避して、11月に入った途端に株価は急反発に転じて、鬼門を通過して流れの変化を見せています。
日本株は元々米株よりも相対的に強かったわけですが、今週も急速に変化して、チャート的には米株よりも先に良い形に変わりました。日経平均は6月と7月に3万3700円台で天井打ちして大きな調整局面に入っていましたが、10月4日から31日までの間に3万400円台~3万500円台で何度も安値を付けて下げ止まり、綺麗な下値抵抗ラインを作っています。TOPIXは9月15日の高値と10月12日の戻り高値を結んだ右下がりの上値抵抗ラインを、日経平均に先駆けて今週上に突破してきました。今週の日経平均の週足チャートは安値で陽線包み足になっています。11月1日は早速TOPIXは今年最大の上昇率で、日経平均とTOPIX共に25日線を突破したので、11月相場初日からガラッと空気が変わりました。まさに鬼門の10月を通過したと言える空気で、一転して10月相場とは流れが変化してきました。
10月21日の東京セミナーでは、米株についてだけ注意を促す話を詳しくしましたが、日本株についてはあえて何も話しませんでした。それは相対的な日本株の強さをベースに考えていたからです。実際早見は10月相場で米株に警戒の目を向けながら、デイフェンシブストックの食品株に力を入れて取り上げて、ことごとく的中させたほか、銀行株や石油株、半導体関連株、総合商社株、鉄道株などを買い推奨して、下げ波乱後の年末高に向けての種まきの投資作戦を進めてきました。皆と一緒に右往左往しているのでは話にならないということで、なすべきことをしっかりと行なっていただきました。季節的には秋に下げたところは年末に向けての買い場を提供するパターンなので、10月で調整安が底打ちしたとみるなら、強気に転換しなければなりません。
※このコラムは今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。