週刊レポートや有料情報、東京セミナー、ホームページなど色々な場で、「SP500指数と日経平均の逆張り指標が昨年10月に底打ちした時以来の数値になっており、反発が狙える状況になってきているとお伝えして、実際その後日米ともに株価は戻りに転じました。
今週は米株の実勢を示すSP500指数は、3月につけた取引時間中の史上最高値からの下げ幅の84%を戻し、ナスダック指数は、3月の最高値からの下げ幅の89%を戻しました。「半値戻りは全値戻り」という相場格言からすれば、米株は再び新高値を期待できる状況になってきたわけです。
そこで昨年7月の天井打ちから下げに転じた局面を見ると、SP500指数は下げ幅の75%戻したところで止まり戻り天井を付けて、また下げていきました。ナスダック指数も76%の戻りで止まり戻り天井を付けました。半値戻りどころか4分の3戻しても新高値になれなかったわけで、こうしたことが起きるのが相場です。
しかし違いもあります。昨年はSP500指数の週足チャートは7月の最高値から3本連続陰線で下げて、そこから2本連続陽線で反発して戻り天井となりました。これに対して今回は3月の最高値から週足が3本連続陰線で下げに転じたのは同じですが、そこから今週で3本連続陽線で戻してきています。もし今週このまま3本連続陽線で確定すると「赤三兵」に形になります。
SP500指数の場合、前回これと同じパターンになったのが、2020年9月から10月にかけての局面で、やはり高値から3本連続陰線で下げて、そこから3本連続陽線で戻りに転じ、それが調整完了シグナルとなって年末に向けて更に上昇していき、2022年1月の高値まで上昇トレンドが続きました。したがってこのまま今週SP500指数とナスダック指数の週足が3本連続陽線で終わると、チャート的には米株の新高値への期待がグンと高まるわけです。SP500とナスダック指数は既に下げ幅の8割以上をあっという間に戻して新高値への期待を高めています。
私は「まずはいったん戻りに転じるが、それが本当の意味での底打ちとは言えない」という見方をしていましたが、それを良い方に覆す形を作ってくれる2020年9~10月のパターンになるか、それとも昨年7月からの下げと同じく戻り天井になってしまうか、米株の戻りが正念場に来ていると言えますので、どちらの道に進むか米株の動向に目が離せません。
は今週木曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。